担任との個人面談で休校中の生活を振り返る生徒=15日午後、小山南高

 栃木県立学校の臨時休校が24日までに短縮され、6月1日から通常登校となることが15日、発表された。生徒や教員、保護者からは一様に安堵(あんど)の声が上がる。一方、約3カ月弱にわたる「空白」の影響は、授業、部活動、進路など学校生活のあらゆる面で今後も色濃くなってくる。教育現場は山積みの課題を抱えながら、再開を迎える。

 ◇「コロナ」感染拡大の経過

 「やっと高校生活が始まる。友達をつくって勉強も頑張りたい。楽しみです」

 小山南高スポーツ科1年の仲井日芽南(なかいひめな)さん(15)は15日、休校期間中の生活を振り返る担任との個人面談を終え、満面の笑みをみせた。登校はこれまでにわずか3日。冬用の制服をほとんど使わないまま、まもなく夏用で迎える学生生活のスタートに胸が弾む。

 栃木商業高3年大森景太(おおもりけいた)さん(17)は、大学受験にも必要な検定試験が控える。「家での個人学習には限界があった。先生から直接教わって早く勉強を進めたい」と心がはやる。

 宇都宮女子高3年松本葵衣(まつもとあおい)さん(18)の胸には、友人や先生に会える喜びと感染リスクへの懸念が混在する。オーケストラ部に所属しており、「みんなで演奏すると密は防げない。このまま引退かもしれないと思うと悲しい」

 指導の現場も混乱は隠せない。「学習の遅れを考えると、このあたりが限界だった」。再開を歓迎する小山南高の川田(かわだ)みどり教頭(59)の表情は晴れない。

 授業時間の確保優先で、学校行事はおそらく中止せざるを得ない。登校時や校内での密の回避策、週8こまあるスポーツ科の実技、全国大会が中止となった部活動-。9月には就職を希望する生徒の企業への調査書送付が始まるが、成績評価はどうするか、新型コロナで採用がどうなるかも見えない。

 「前例はない。生徒のために教員一丸で力を尽くすしかない」と決意する。

 宇都宮市内の高校に通う3年男子生徒(17)の母親(49)は「再開できて良かった」とホッとした表情。休校中は部活動もなく、夕食を共にし、会話の時間も持てるなど良い面もあった。一方で、専門科目を習えなかったことが気になる。

 「(検定の取得ができないと)大学受験に向けて不利になるのではないだろうか。早く元のように授業ができるようになってほしい」と願っていた。