例年この時期、真新しいリクルートスーツに身を包んだ学生の姿を街のあちこちで見掛けるが、今年はその姿はないに等しい。新型コロナウイルスの感染拡大が就職活動にも影響を及ぼしているためだ。

 合同説明会や企業説明会の延期が相次ぎ、各企業はウェブでの説明会や選考を取り入れ始めている。今月初旬、本紙に掲載された県内上場20社への新卒採用アンケートでも、約半数が実施していると回答した。

 いやが応でも転換期を迎え、多くの企業は手探りだ。「接する学生の数が圧倒的に少ない」「画面越しでのやりとりだけで学生の人柄を十分に把握できるのか」。不安を挙げれば切りがない。各企業の担当者が「やはり最後は直接、対面して人柄に触れたい」と口をそろえたのが印象的だった。

 ある企業の担当者の元には、情報量が少ない中での就職活動に不安を抱く学生の声が多く寄せられているという。担当者は「今までよりも学生自身で動く必要がある年。大変だが、この経験は社会人として必ず財産になる」とエールを送る。

 「コロナ禍」とも呼ばれる未曽有の事態。採用する側、される側双方の力が試されている。