地元飲食店のチラシを配布するブリッツェンの堀=宇都宮市内

宅配サービス用の温泉旅館の源泉を運ぶブラーゼンの渡辺=那須塩原市内

地元飲食店のチラシを配布するブリッツェンの堀=宇都宮市内 宅配サービス用の温泉旅館の源泉を運ぶブラーゼンの渡辺=那須塩原市内

 新型コロナウイルスの影響でシーズン開幕が見通せない国内の自転車ロードレース界で、県内のプロ2チームが地域貢献活動に力を入れている。地元に恩返しをしようと、宇都宮ブリッツェンは地元飲食店を支援するチラシを配布し、那須ブラーゼンは「温泉」を宅配。屋外などでのトレーニングが制限される中で、改めて「地域密着型チーム」としての存在意義を示している。

◇「コロナ」感染拡大の経過

 国際自転車競技連合(UCI)の方針で世界中のレース活動が3月15日からストップ。県内でも「ツール・ド・とちぎ」などの国際レースが中止となり、国内のシーズン開幕も見通せない。

 ブリッツェンは海外2連戦でシーズンインしたが、今は手探りの日々だ。練習は単独が基本。「外でのトレーニング回数は減った。社会の風当たりが強いので…」。堀孝明(ほりたかあき)が現状を明かす。

 緊急事態宣言後、サイクルスポーツに関する公的なガイドラインは出ていない。それでも、外出自粛要請中の屋外練習には抵抗もあり、練習量を減らす選手も。清水裕輔(しみずゆうすけ)監督は「医療現場に迷惑を掛けないよう、けがのリスクが伴う強度の高い練習は行わない。追い込むと免疫力も下がる」と話す。

 そんな中、両チームが力を入れるのが地域貢献活動だ。ブラーゼンは温泉旅館の源泉宅配やフードデリバリーを那須エリアで無料で展開。源泉宅配は4月21日~5月6日の16日間で65件、1日に始めたフードデリバリーも13日までに64件実施するなど好評で、選手らがフル稼働している。

 いずれも地域密着を掲げるチームならではの活動。岩井航太(いわいこうた)ゼネラルマネジャーは「地域との一体感は強まっている。チームをより知ってもらう機会にもなっている」と実感する。

 ブリッツェンも地元飲食店を応援しようと、自転車を使ったポスティング活動を実施。子ども電話相談、オンラインサイクリングイベントを開催するなど、さまざまな方法でファンとの結びつきを強めている。

 地元からの幅広い支援で成り立っている両チーム。コロナ禍で地域が苦しむ今こそ、恩返しのときと自負する。国内初の地域密着型プロチームとして活動12年目となるブリッツェンの清水監督は「スポーツができるのは平常な社会があってこそ。こういう時こそ、自分たちの存在意義が問われている」と話している。