立候補を予定する2人のチラシなど。鹿沼市が抱える課題に関する施策が打ち出してある

 新型コロナウイルス感染防止のため、これまでの選挙戦とは様変わりした。陣営の士気を高める総決起大会などの集会は全てなし。3密(密閉、密集、密接)を避けた支持者回りや公約を記したチラシなどに力を入れ、「未来への投資」「持続可能な施策」をキーワードに政策を競っている。

■動画を活用

 新人の石下友彦(いしげともひこ)氏(47)=自民、公明推薦=は、動画投稿サイト「ユーチューブ」でチラシに添って疑問などに答えるシリーズを展開し、政策を披露。知名度が課題とされる中で、会員制交流サイト(SNS)も活用し、戦いぶりや若さと実行力をアピールする。

 前回の市長選で自民党公認候補者は、支持する市議の要望などを多く取り入れ、市庁舎建設の白紙撤回、出産費用や学校給食費など「七つのゼロ」を前面に打ち出し、有権者から実現性を疑問視された。

 今回はこの反省を踏まえ、「未来への投資」として(1)災害復旧スピード化(2)子育て・教育環境(3)商業・産業、企業誘致(4)70歳から楽しめる街(5)鹿沼ブランド再構築-を重点5項目とし、個々に政策を掲げている。

 新型コロナ対策にもシフト。子育て支援に関連して、当初の「小中学生の給食費半額補助」から「2年間無料」とし、地元企業の赤字対策として最高300万円の補助も打ち出した。

■3期の実績

 4選を狙う佐藤信(さとうしん)氏(73)は、討議資料で「子や孫へのツケを残さないために『今だけ、金だけ、自分だけ』の3だけ主義は排除します」と強いメッセージを掲げた。「あくまで持続可能な施策が基本」としている。

 昨年12月市議会で、佐藤氏は「この12年で市債の期末残高は126億円削減した」と答弁。市民1人当たりの市債残高は県内14市で3番目に少なく、健全な財政基盤の確立に胸を張る。

 夢のある新規事業、積極性などの点で物足りなさを指摘する声もある中、今回は(1)台風の災害復旧と防災体制強化(2)新型コロナウイルス対策(3)防災拠点としての新庁舎建設-を最初に取り組む三つの課題とした。

 「未来への投資」についても、「施設整備編」として市花木センターの大改造など5項目、「ひとづくり編」として安心して子育てできるまちづくりなど5項目を訴える。さらに現職の強みを生かして、新たな新型コロナに関連した対策なども打ち出しそうだ。

 告示まで1週間。見えない敵・新型コロナとも闘いながらいかに名前を売り、どう政策を訴えるか。「明日への選択」となる選挙戦が本番を迎える。