新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 福島県郡山市で8日に新型コロナウイルスに感染したと発表された宇都宮市在住の30代男性医療従事者が、常勤する菅間記念病院(那須塩原市大黒町)のPCR検査などで陰性だったことが12日、分かった。8日を含めた3日間4回の検査でいずれも陰性で、同病院は「(郡山市の検査は)結果を陽性と過剰に判定した可能性がある」と指摘している。

 同病院によると、男性は同病院の小児科の常勤医。月1回郡山市内の病院で診察に当たっていることから、発熱などの症状はなかったが、念のため同市内で検査が行われ、8日に陽性と発表された。同病院は同日、確認のため、同病院でPCR検査を実施。翌9日には同病院と県保健環境センター、11日にも同病院でPCR検査を行い、いずれも陰性だった。

 同病院は4月下旬から新型コロナ感染者の受け入れ協力医療機関として体制を整備。病院駐車場にPCR検査所を設置し、検査を行っている。PCR検査は、新型コロナウイルスのRNAウイルスの遺伝子を増幅して検出する方法。同病院によると、陽性の場合は検出量が増え顕著な上昇カーブを描くが、男性医師の3度の検査結果にはそうした反応が見られなかった。

 男性医師の陽性を発表した郡山市保健所は、取材に対し「(データを基に判断した)医師からの(陽性を意味する新型コロナ感染者の)発生届を受けて発表した」と回答。実際に検査に当たった福島県内の民間検査機関は「個別の事例に対する答えは差し控える」とした上で「検査の性質上、結果にはグレーな部分が出る可能性はある」などとした。

 同病院は男性医師が勤務する小児科と一部の外来を8日午後から一時休診とし、消毒するなど対応に追われた。男性医師は11日に退院し、自宅待機中。同病院は「行政には陽性の事実を取り消してほしい」としている。