営業が再開し園内を散策する人たち=11日午前10時5分、足利市迫間町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け続いていた、栃木県の休業要請が11日、多くの施設で緩和された。観光施設や図書館など。閉塞(へいそく)感の中、混乱前の日常が少しずつ県民に戻ってきた。だが、気の緩みが感染増につながる恐れもあり、各施設は入念な感染防止策に神経をとがらせている。

 約1カ月ぶりに営業を再開した足利市迫間(はさま)町のあしかがフラワーパーク。午前9時半の開園時には、心待ちにした地元客らが距離を保って列をつくった。検温と手の消毒を行った後、見頃を迎えた白フジやバラなどを観賞していた。

 妻と訪れた同市、会社員男性(49)は「待ってましたという思い。開園すると思わなかったのでうれしい」と喜ぶ。春のフジと冬のイルミネーションの時季には、毎年欠かさず訪れているという。

 恒例の夜のライトアップは行われないが、「こういう状況なので仕方がない」と話し、キバナフジのトンネルで写真撮影を楽しんだ。

 運営会社は営業時間を午前9時半~午後5時に短縮し、レストランなど屋内施設の利用を停止。来場者を県民に限定するほか、マスク着用も義務づける。早川公一郎(はやかわこういちろう)社長(39)は「花は人を癒やすもの。厳しい現状が続くからこそ、1人でも多くの人に見てもらえればと考えた」と話した。

 宇都宮市の中央、東など五つの図書館も1カ月ぶりに開館した。児童書などが充実している同市雀宮町の南図書館には、親子連れらが次々と訪れた。

 母親(39)や弟と訪れた同市、中学1年の女子生徒(12)は「普段人気の本も今日は借りられるし、学校が休みなので上限の15冊まで借りて、2週間で全部読みます」と大好きな歴史小説を手に取った。

 南図書館は館内のイスや各種端末の利用中止、本の消毒、換気など対策を重ねる。赤石沢(あかいしざわ)めぐみ館長(57)は「活気が戻り喜ばしいが、心配がなくなったわけではない」と警戒を緩めてはいない。

 那須塩原市千本松の那須野が原公園は駐車場を再開し、車でも来られるようになった。園内では子どもが元気に走り回り、ベンチで弁当を食べる親子連れの姿も。夫や1歳の長女と訪れた同市、会社員女性(31)は「駐車場が開いていて良かった。娘も外だと自由に歩ける」とうれしそうに話した。

 各施設に消毒液を置き、受け付けには透明なビニールシートを設置するなど感染予防に気を配る。公園の大木貞史(おおきさだふみ)主任(43)は「感染を防止しながら営業を続けるのは簡単なことではない。油断はできない」と気を引き締めた。