外出自粛などの影響で増えている家庭ゴミの収集作業=1日午前、小山市内

 新型コロナウイルス感染症の拡大で全国的に休業や外出自粛が続く中、業務が増えている業種もある。スーパーなどに食材を運ぶ運送業や家庭ごみの収集業は車両をフル回転させ、消毒業者には「即応」の依頼が相次ぐ。自らも感染予防を徹底しながら、県民生活のライフラインやインフラを守る毎日だ。

 4月30日午後、幸洋運輸(宇都宮市)のパックセンターでは、スーパーに運ぶタマネギの袋詰めが行われていた。同社の食品部門は、大手スーパーや農業団体の個別宅配で取り扱う野菜や肉などの物流を手がけるという。

 消費行動は物流に直結する。休校や外食控えで家庭内の消費が増え、取り扱う量は例年の1.5倍に上る。トイレットペーパーが不足するという情報が流れたときも、多忙を極めた。

 さまざまな場所を行き来するドライバーだけに、感染予防の徹底は必須。平賀勝利(ひらがかつとし)会長(54)は「食材を運ぶことで生活を手助けし、物流のライフラインを守るのが使命」と力説する。

 「例年より明らかに量が多い。この袋は家で草むしりをした草かな」。1日午前、小山市内のごみステーションで廃棄物収集運搬業「関東実行センター」(小山市)の従業員松本剛志(まつもとたけし)さん(36)らが、約40袋を次々と収集車に詰め込んだ。

 大型連休中も車両18台をフル稼働させた。外出自粛に加え、行政のごみ処理施設への一般の持ち込みが制限されており、家庭ごみの収集量は例年の3割増という。

 収集は感染のリスクと隣り合わせでもある。各車両に消毒スプレーを常備し、従業員はマスク着用や検温、手洗い、休憩中も距離をとるなど感染防止に気を配る。山本久一(やまもとひさかず)社長(62)は「災害の時にも感じたが、市民生活のインフラとして、われわれが止まるわけには行かない」と強調する。

 消毒業者の邦和理工(宇都宮市)は、例年だとシロアリ消毒にあたる時季だが、今年は休日・夜間関係なく、新型コロナに備えている。

 感染者が入院している病棟や陽性者が確認された企業、自治体の施設といった最前線に出向き、全館消毒などを行う。「もし(感染者が)出たらすぐに来てくれ」という「予約」は100件近くに上る。

 専用のマスクやゴーグルをつけ、防護服は「浴びるように消毒」するなど、作業自体も細心の注意を払う。大柿共矢(おおがきともや)社長(38)は「企業などの危機意識はものすごく高まっている。社会の安心につながるよう力を尽くしたい」と気を引き締めていた。