事業者からの問い合わせに追われる県信用保証協会の職員たち=8日午後、宇都宮市中央3丁目

 栃木県信用保証協会(須藤揮一郎(すどうきいちろう)会長)が4月に行った保証承諾額が前年の約3倍に当たる283億1100万円となったことが、9日までに分かった。4月としては過去最高額。このうち、新型コロナウイルス感染拡大を理由とする保証承諾額は、205億円で72.4%を占めた。同協会は「新型コロナの影響で県内中小企業が資金繰りに窮している現状が浮き彫りとなっている」と分析している。

 件数は前年同月の2倍の2287件。同協会によると、2月から宿泊、観光バス業が目立ち始め、3月に入ると歓送迎会の自粛のあおりを受けた飲食店が増えた。現在は中国などからのサプライチェーン(部品の調達・供給網)被害で製造業、建設業がそれぞれ全体の金額の2割超を占めるなど影響はほぼ全業種に及ぶ。

 飲食店は、前年同月の約9倍の25億1800万円に増加した。同協会の担当者は「現金商売のため、売り上げが減れば、家賃や人件費などの固定費が経営にすぐ響く」と解説する。

 同協会によると、新型コロナを理由に、債務保証を受けた借入金を事業者が返済できなくなった場合に同協会が肩代わりする代位弁済に至った例はほとんどないという。ただ、返済の遅れなどの事故報告受け付けは徐々に出てきた。同協会は今後、事業継続に向けた経営支援に力を注ぐ方針。

 同協会は国や県、市町などの制度融資の拡充などで5月以降も保証承諾額は増加すると予測する。事業者からの相談も日に日に増加しており、担当者は「事業者に最適な方法を示し、この困難を一緒に乗り越えたい」と話している。