10日までの駐車場などの利用中止を呼び掛ける県立博物館前の掲示=5日午後4時55分、宇都宮市睦町

 福田富一(ふくだとみかず)知事が一部業種を除き休業要請の緩和を表明した5日、緩和対象となった関係者からは「ありがたい判断」と歓迎する声が上がった。ただし、感染拡大への懸念や途絶えた客足の回復に対する不安など、手放しで喜べない事業者も。一方で対象から外れた施設からは落胆が漏れ、明暗が分かれた。

 小山市内で「シネマハーヴェスト」などの映画館を運営する銀星会館の柳裕淳(やなぎひろあつ)取締役(35)は「県内の感染者数は増加していない。日常生活や経済活動を続けるために緩和は賛成」と受け止める。座席を間引き、チケット販売所に飛沫(ひまつ)防止パネルを設置した上で、営業再開の時期を検討している。

 県内155のパチンコ店で組織する県遊技業協同組合の金淳次(きんじゅんじ)理事長(65)も、県の方針を歓迎する。県内のパチンコ店は現在、全店舗が休業中。加盟店に対し、マスクの装着など万全の態勢を取るよう呼び掛けるという。休業要請が続く県外から利用客が殺到するリスクに対し、「他県からのお客さまの入店をお断りするなど、地域の方が不安を持たないようにしたい」と話した。

 「それぞれの宿で非常に難しい判断をすることになる」。鬼怒川・川治温泉旅館協同組合の庄田哲康(しょうだてつやす)理事長(50)は頭を悩ませる。

 鬼怒川温泉は首都圏からの宿泊客が多い。ネットなどで予約を受け付ける際、県外からの宿泊者かどうかを確認するのは難しく、県境をまたぐ移動につながる可能性がある。

 「引き続き感染拡大を防ぎ、社員の健康と安全を守らないといけない。再開しても、現場はつらい対応を迫られる」と説明する。

 那須町観光協会の広川琢哉(ひろかわたくや)会長(52)は「緩和はありがたいが、少し早い印象。感染リスクを下げてから再開した方がよいのでは」と複雑な心境を吐露する。「長期戦を見据え、雇用を維持するための施策に期待したい」と訴えた。

 宇都宮市上金井町の宇都宮動物園は、営業時間の短縮やえさやり体験の中止など感染対策を取った上で、9日に営業を再開する予定。荒井賢治(あらいけんじ)園長(55)は「客足がすぐに戻るとは思っていない。厳しい状況は続くだろう」とみる。

 引き続き休止要請の対象となったスポーツクラブ。小山市駅東通り2丁目のイーグルスポーツプラザ小山は、運営する6施設の休業期間を当面、延長することを決めた。担当者は「営業的に苦しいのは間違いない」とする一方、「会員や従業員の安全、健康を考えればやむを得ない。今は耐える時期」と話した。