拝観停止が続き、人の姿がない二社一寺の表参道=4日午後、日光市山内

先行きが不透明な中、再開準備を進める休業中の飲食店=4日午後2時45分、宇都宮市一番町

拝観停止が続き、人の姿がない二社一寺の表参道=4日午後、日光市山内 先行きが不透明な中、再開準備を進める休業中の飲食店=4日午後2時45分、宇都宮市一番町

 国の緊急事態宣言の延長が4日、決定した。休業要請対象の事業所は「6月以降も続いたら持たない」として自粛の緩和に期待を掛ける。観光地では「ここで緩めるわけにはいかない」と休業延長を決める動きも出ている。

■日光二社一寺、拝観停止延長を決断 宿泊施設「緩和の道筋を」

 日光市の世界遺産「日光の社寺」は4日、拝観停止期間を延長する方針を決めた。那須町のレジャー施設も休園延長を検討。「ここで緩める訳にはいかない」と政府方針に理解を示す一方、観光地の宿泊施設は「さらに長引けばもっと経営は厳しくなる」と危機感を一層強めている。

 二社一寺は先月14日から拝観停止が続く。日光市山内の日光東照宮と日光山輪王寺は政府方針に呼応し、6日までの拝観停止期間を31日まで再延長することを決断した。東照宮の稲葉尚正(いなばたかまさ)権宮司は「県境を越え多くの人がお越しになる可能性があり、再開は現実的でない」と説明する。

 同所の日光二荒山神社も再延長する方針。同神社の斎藤芳史(さいとうよしふみ)権宮司は「我慢が続くが、中途半端に開けられない」と訴える。同神社は男体山の山開きについても、拝観停止期間に準じる方向で検討している。

 「現段階での再開は厳しい」。那須町大島の那須どうぶつ王国の鈴木和也(すずきかずや)総支配人は「観光地と行政が対話し、段階的に再開の道筋をつくる必要がある」と話す。県の対応を踏まえ今後の対応を検討する方針。

 日光市鬼怒川温泉滝の「あさやホテル」は休業延長を検討。「感染が収まっていない中で、営業する訳にはいかない」。八木澤哲男(やぎさわてつお)社長は事態の長期化も危惧し「雇用を維持するためにも、行政にはさらなる支援を願いたい」とした。

 8日に営業再開を予定していた那須町湯本の旅館「山水閣」は31日まで延長する。予約のキャンセルに追われ、今月の売り上げはゼロ。片岡孝夫(かたおかたかお)社長は「やっても地獄、休んでも地獄」とこぼし、「段階的に自粛を緩和するなら、具体的な業種を示してほしい。金融機関へ返済猶予などを促す救済施策を早期に実施してほしい」と求めた。

■「心の準備できていた」 再開模索、県の判断待つ 県内店舗

 「ショックはあるが、延長の方向性が徐々に報道されていたこともあり、心の準備はできていた」。4月12日から自主休業する宇都宮市一番町の飲食店「おでん串揚げOmaki」の大牧宏統(おおまきひろのり)社長(50)は、冷静に受け止めた。

 飲食店、居酒屋は県の休業要請の対象外だが、休業したのは「1日も早い感染終息に協力したい」から。スタッフ5人には理解を得て休んでもらい、店内の念入りな掃除など、今できることに集中してきた。

 先の見えないコロナ禍に「街がだめになってしまう」との危機感がある。7日からの営業再開を想定し4日から、おでん種の仕込みを始めていた。首相が言う「新しい日常」への移行に期待するが、県の方針が決まるのは5日以降。「判断に迷う」と戸惑いながらも、「不安があっても、前向きに捉えて過ごしていかないと」と気を吐いた。

 県の休業要請に応じ、4月20日から休業する県南のスポーツクラブは「延長は想定内だった」と受け止める。県内の感染者数が首都圏より少なく、地域によっては施設の使用制限の緩和があり得ると期待する。「資金面、雇用面から早めに再開したいが、まず県の方針を聞きたい」と受け止める。

 休業は6日までの予定。「これまでは何とかなったが…。5月末までとなったら、きつい」と打ち明け、「運動ができずストレスを抱えている人も多いはず。再開の見通しが立ったら、これまで以上に消毒、掃除を徹底し、感染対策に努める」と言葉に力を込めた。

 県による一部店舗店名の公表を経て、県内全店舗が休業に至ったパチンコ業界。自身も県内で2店舗を営む県遊技業協同組合の金淳次(きんじゅんじ)理事長(65)は「零細店舗からは、もう持たないとの声も挙がっている」と胸中を明かした。

 パチンコ店を休業要請の対象外とするよう、組合として県に要望書を提出したが、先はまだ見えない。「県内にどれだけの感染リスクが存在するのか、医学的な根拠を示してもらいながら、今後について県と協議していきたい」と語った。