孫とビデオ通話をして「オンライン帰省」を楽しむ荻野さん夫妻=1日夜、宇都宮市内

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請が続く中で迎えた今年の大型連休。感染防止のため、帰省を控える動きが目立っている。そんな中、スマートフォンなどのビデオ通話機能を利用して、“オンライン帰省”を楽しむ人もいる。直接会えない状況下で、画面越しに家族の絆を強める姿があった。

 「おいしい?」

 宇都宮市、会社員荻野浩行(おぎのひろゆき)さん(56)と妻の千景(ちかげ)さん(51)は1日夜、タブレットに向かって問い掛けた。画面上では、1歳の初孫が笑顔でご飯を頬張っていた。

 荻野さん夫妻は、都内に住む長女とビデオ会議アプリで会話しながら夕食を楽しんだ。帰省気分を味わおうと、夕食のメニューはどちらの家も手巻きすしにした。

 月に1度は長女の家を訪れていた千景さんだが、この2カ月は控えている。大型連休中は、長女が孫を連れて帰省する予定だった。「孫はちょうど言葉を覚え始めた頃なので、会えないのはさみしい」と本音も漏れる。

 その代わりに、最近は週2回ほどのペースでビデオ通話をしている。浩行さんは「画面でも表情がよく見えるから安心できる。今は我慢して、また会える日を楽しみにしたい」と思いを募らせた。

 白鴎大教育学部3年猪又公壽(いのまたまさとし)さん(21)=小山市=は、新潟県糸魚川市出身。長期休みの度に帰省していた。実家には80代後半の祖母が暮らす。「もし自分が気付かないうちに、新型コロナをうつしてしまったら…」。そんな思いから、今回の帰省を見送った。

 猪又さんは4月26日、実家にいる家族と初めてビデオ通話をした。家での過ごし方や授業など、他愛もない会話が弾んだ。祖母には「元気にしているよ」と伝えたという。

 定期的に家族と電話をしていたが、「顔を見て話ができると、安心感があっていい。家族の喜ぶ顔も見ることができた」と目を細める。

 「実家が好き」という猪又さん。「落ち着く時期を待って、安心して帰省したい」と願っている。