自宅学習の教材を準備する足利市毛野南小の教員=30日午後3時5分、同市常見町1丁目

 「早く再開したいが、やむを得ない」。栃木県は30日、県立学校の休校期間の再延長を決め、公立小中学校や私立学校も含め、県内の学校再開は6月にずれ込む見込みとなった。教育現場は感染状況を鑑み冷静に受け止める一方、「6月に本当に再開できるのか」と先行きを不安視した。「9月入学もあり得るのだろうか」。日常がまた遠のき、保護者も当惑を隠しきれない。

 足利市教委はこの日、小中学校の休校を5月末まで再延長すると決めた。同市毛野南小の赤坂治之(あかさかはるゆき)校長(57)は「クラスター(感染者集団)の発生リスクを考えると仕方ない」と理解を示す一方、「子どもたちがストレスを抱え込みすぎないか心配」と気遣った。

 再延長に伴い登校日を設けるほか、校庭の一定時間解放を検討中。授業の遅れや地域との交流事業の中止など、今後の学習予定も懸念する。「6月に再開できるのか不安もある。見通しが立てられないことがつらい」と嘆いた。

 既に5月31日までの休校再延長を決めていた大田原市。同市若草中の福田保夫(ふくだやすお)校長(58)は「状況から考えると、学校を再開できる要因はなかった。6月以降も再開できない事態も考えなくては」と受け止めた。同校はこの日、再延長に伴う追加の自宅学習用プリントなどを生徒宅に配布した。市内で感染者が発生したことから、ポストに入れるなど慎重を期したという。

 「学びの保障への責任がより増した。対応の質を高めなくては」。県央の県立高校長は危機感を強めた。3年生から進路に関する不安の声が上がっているといい、5月には電話での進路指導を始める。「不安解消にはスピード感が重要。スクールカウンセラーの協力も得て、生徒からの相談態勢を強化する」とした。

 保護者の思いも複雑だ。小学4年の娘(9)が毛野南小に通う団体職員男性(37)は「再開してほしい一方、身近な地域で感染が広がっていることを考えると、再延長には安心感もある」と話す。中学3年の長女と小学1年の長男がいる大田原市、主婦内山江里(うちやまえり)さんは「この状況では仕方ない」。長女は高校受験を控え、再開の行方が特に気掛かり。「9月入学の話もあり得るの」と心配は尽きず、「これからどうなるのか」と、嘆息を漏らした。