県の経済情勢報告

 関東財務局宇都宮財務事務所は27日、4月判断の県内経済情勢を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響により「経済活動が抑制される中、足元で急速に下押しされており、極めて厳しい状況にある」として、2013年1月以来、約7年3カ月ぶりに下方修正した。行木寿夫(なめきとしお)所長は記者会見で「極めて厳しい状況が続く見込みで、さらなる下振れリスクにも十分注意する必要がある」と述べた。

 同事務所は1月末から4月中旬までの経済指標と企業への聞き取りを基に判断した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたとの声が多かったという。

 主要3項目のうち、個人消費は百貨店・スーパー販売額、ドラッグストア販売額、家電大型専門店販売額などが前年を上回ったものの、乗用車の新車登録届け出台数は前年を下回った。宿泊や飲食サービスは弱い動きとなり、全体として「弱含んでいる」と約5年3カ月ぶりに下方修正した。

 聞き取りでは巣ごもり消費の増加の一方、「3月の売り上げ台数は約3割減少」(自動車販売店など)、「宿泊客数が前年比約5割減少した。4月やゴールデンウイークの予約は1割にも満たない」(宿泊、中小企業)などの声があった。

 生産活動は業務用機械、生産用機械、輸送機械などが上昇している一方、金属製品は低下した。「自動車メーカーの輸出減少や国内外の工場操業停止などの動きを受け、生産は大幅に減少した」(輸送機械、大企業)などの声が聞かれた。

 雇用情勢は感染症の影響を含め、「改善の動きに一服感がみられる」とした。

 総括判断について、リーマン・ショック後の2009年4月判断では「一段と悪化している」と表現した一方、今回の「極めて厳しい状況」との文言は初めて使用した。行木所長は「現時点ではリーマン・ショックほどの悪化ではないとの水準。ただこれからさらに悪化する可能性はある」とし、事態の収束が見えない中での先行きを懸念した。