予約客などに対し、電話で宿泊キャンセルをお願いするホテルの従業員=25日午前、日光市安川町

 大型連休スタートの25日、書き入れ時となるはずの県内宿泊施設は異例の対応に追われた。新型コロナウイルス対策で県が休業要請の対象を観光ホテル・旅館に拡大したため、日光市内のホテルは大型連休中の休業を決定。予約客に宿泊キャンセルを申し入れてもらう羽目に。宇都宮市内のシティーホテルは営業を続けるが、外出自粛の余波で利用が激減している。

 「知事から休業要請が出て、宿泊をお受けできません。大変申し訳ありません」。日光市安川町のホテル「日光千姫物語」では朝から、従業員が宿泊予約客や旅行業者に断りを入れる電話をかけ続けた。

 同ホテルは20日から自主的に休業中。29日の再開予定で予約を受け付けていたが、要請を受け休業延長を決めた。

 この日は休業対象期間の5月6日までの予約先200件ほどに連絡。連絡が取れないケースもあり、経営する「春茂登ホテルグループ」の根本芳彦(ねもとよしひこ)社長(62)は「当日来られてもお引き取り願うしかない」とこぼす。

 同市内の観光名所の多くが休業していることもあり、根本社長は「お越しになっても日光を堪能できない。収束の折にぜひ来てほしい」と呼び掛けた。

 奥日光でホテルを経営する社長(75)も予約客に宿泊キャンセルを求める連絡を取った。4月上旬から事実上の休業状態だったため「要請によって正式に休業と言える。協力金をもらえるのは助かる」。だが休業の長期化を懸念しており、「長引けば観光地は駄目になる。協力金以外の補助もお願いしたい」と求めた。

 一方、今回の要請は観光ホテル・旅館が対象のため、宇都宮市中心部では営業を続ける施設が多い。

 宇都宮東武ホテルグランデはビジネス客の需要もあり、現時点では通常通りの営業。ホテルニューイタヤは当面の間、南館のレストランと宿泊施設の営業を自粛し、本館のみで規模を縮小して営業している。

 ただ外出自粛で宿泊予約は大幅に減った。東武ホテルによると、ギョーザなどを目的に訪れる観光客の予約は激減。ニューイタヤも予約は例年に比べ8割減で、担当者は「かなり影響が出ている」と吐露した。