前回大会の陸上女子走り幅跳びで優勝した福田(矢板)。今夏は開催中止となる見通しだ=昨年8月、大阪市内

 「残念だ」「選手はショックだろう」。全国中学校体育連盟(中体連)が今夏に東海地方で開催予定だった全国中学校体育大会(全中大会)を中止にする方針であることが明らかになった24日、栃木県内の指導者らには落胆が広がった。県中体連事務局には報道で事態を知った各競技専門部の関係者らから、問い合わせの電話が相次いだ。担当者は「日本中体連から正式な案内が来ていないので、何もお答えできない」と戸惑いをあらわにした。

 全中大会は日本一の栄誉を懸けた中学スポーツ最大の祭典で、運動部活動の集大成となる舞台。今夏は8月17~25日の日程で、岐阜、静岡、愛知、三重県で陸上やサッカー、水泳など16競技を行う予定だった。

 全中大会が中止の方針となったことを受け、相撲で団体2連覇を目指して稽古を積んでいた若草中の三田尚紀(みたなおのり)監督は「非常に残念」と一言。前回とメンバーはすべて入れ替わっただけに、「いい経験を積める機会だった。ここで相撲人生が終わるわけではないが、自分の腕を全国の舞台で試すチャンスが失われた。選手たちはかわいそう」と今夏に懸けてきた新3年生の心境を代弁した。

 今年最大の目標がなくなり、心配するのが選手のモチベーションの低下だ。学校休校で部活動もできない状態が続いており、「高校に向けて気持ちを切らさないように、育てていかなければならない」と指導者としての責任をかみしめた。

 サッカー専門部の御子貝和亮(みこがいかずあき)専門委員長は「中止が事実だとすれば残念だが、生徒の安全を考えればやむを得ないとも思う」と複雑な思いを吐露した。

 昨夏は自らが監督を務める宮の原中が、関東大会を突破して全国大会に出場した。「生徒たちはかけがえのない経験をさせてもらった」と振り返り、「全チームがそうだが、あの素晴らしい舞台に挑戦すらできないのは悔しいと思う」と生徒の心情をおもんぱかった。

 県中体連は6月5~7日に集中開催を予定していた県春季大会の中止を今月8日に発表。全中大会や関東大会の予選を兼ね、7月下旬に開く予定の県総体の開催可否は「未定」としている。