自粛要請に伴い、通常の半分程度の登園数となった保育園=24日午後、宇都宮市南一の沢町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、栃木県内の保育施設が保護者に登園自粛を要請する動きが広がっている。施設内での園児や保育士の感染リスクを減らすことが狙い。保護者は「県内でも感染が広がっているので仕方ない」と受け入れる一方、「子どもがいると在宅勤務に集中できない」といった悩みを打ち明ける。

 県が決定した緊急事態措置では、保育園や認定こども園などの保育施設は休止要請の対象外となった。ただし、家庭での保育が可能な場合は、利用の自粛を求めている。

 宇都宮市は、在宅勤務をする保護者が増えたことなどを理由に、9日から家庭での保育を呼び掛けている。20日に改めて登園自粛を呼び掛けたところ、市内全体の22日の登園率は全園児の約6割になったという。

 同市南一の沢町の「うめばやし保育園」は、半数ほどの園児が自宅で過ごしているという。斉藤隆(さいとうたかし)園長(76)は「園内は三つの密になりかねない。自宅で保育をお願いするのは、苦渋の選択だった」と話す。

 感染者数が急増している自治体は、登園自粛の要請をより強化する。非常事態を宣言した栃木市は、保護者が医療従事者やひとり親家庭など、特別な事情がある場合に限り園児を受け入れる「特別保育」を、27日から行う。那須塩原市も同日から、市内の保育施設で栃木市と同様の受け入れ制限を行う。

 「学校も休校が続いているので、登園自粛は仕方ない」。宇都宮市内の認定こども園に4歳の長男が通う同市、ネイリスト女性(39)は約1カ月間、在宅勤務をしながら長男の面倒をみる生活を送っているという。「子どもがいると、仕事に集中できない」と苦笑する。

 2人の子どもを育てる栃木市、会社役員若林可奈子(わかばやしかなこ)さん(48)の家庭は同市の「特別保育」の対象となるが、子どもの登園を控えるという。「食事を用意するなどのストレスはある」と不安もあるものの、「より家族の絆を強める期間にしたい」と前向きに捉えていた。