「2020年日本建築学会賞」に選ばれた道の駅ましこの外観と周囲の景観(日本建築学会提供)

 国内で最も権威ある建築賞とされる「2020年日本建築学会賞(作品)」に益子町長堤の「道の駅ましこ」が選ばれたことが21日、主催の一般社団法人「日本建築学会」(東京都港区、竹脇出(たけわきいずる)会長)への取材で分かった。学会によると、栃木県の建築物が学会賞を受賞するのは1984年の佐野市郷土博物館以来。

 同道の駅は、国内の優れた建築作品を表彰する「JIA日本建築大賞2017」(日本建築家協会主催)の大賞(最高賞)を本県で初受賞しており、「建築界の芥川賞と直木賞」とも称される両賞を県内で唯一受賞する快挙となった。

 同道の駅は2016年10月、町南西部の田園地帯にオープン。周囲の里山の勾配を模した屋根や全面ガラス張りの外観が特徴となっており、壁には益子焼に使う土を用いた。

 受賞理由で「シンプルで明快な架構により獲得された爽快な空間、周辺の山並みと呼応する屋根の造形と土という地域のつながりにより、商業施設としてはまれな純度の高い建築を実現した」と高く評価された。

 設計を担当したマウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所(東京都渋谷区、原田麻魚(はらだまお)代表)の原田真宏(はらだまさひろ)主宰建築家(47)は「設計は原田代表と担った。益子の風土や景観から生まれた作品が学会賞に選ばれ、大変光栄に思う」と喜びを語った。

 学会は会員約3万5千人で構成され、学会賞は作品、論文、技術、業績の4部門がある。1949年に設けられた作品部門は、独創的で時代を画する優れた建築物を対象としている。20年は37点の応募があり、審査基準に基づく2回の選考と現地調査の結果、「延岡駅周辺整備プロジェクト」(宮崎県)、「パナソニックスタジアム吹田」(大阪府)と共に選ばれた。

 大塚朋之(おおつかともゆき)町長は「とても名誉ある賞だと聞いている。新型コロナウイルス対応のさなかだが、受賞により町民が明るい気持ちになってもらえればうれしい」とコメントした。