オンラインで学生とやりとりする宇都宮大の松田教授=20日午後、宇都宮市峰町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、宇都宮大は20日、インターネットを使ったオンライン形式の前期授業を開始した。学生は教員と対面せず、自宅のパソコンなどで講義を受ける。県内の他大学でもオンライン授業が広がりつつある一方、学生によってはネット環境が整っていない場合が懸念され、実習や実験が困難といった課題も浮かぶ。

 20日午後、宇都宮大峰キャンパス。学生の姿はほとんどない。遺伝学が専門の松田勝(まつだまさる)教授(51)は研究室で、パソコンに向かって話し始めた。「それでは授業を始めます」

 受講生は約40人。同大大学院1年柳田(やなぎた)かりんさん(22)は「授業は分かりやすく、スムーズだった」。同松本凌(まつもとりょう)さん(22)は「面と向かって質問できないのは、少しつらい」とこぼした。

 同大によると、オンライン授業の対象は地域デザイン科、国際、共同教育、工、農の全5学部と大学院の学生約5千人。感染者がさらに増え続ければ、前期授業を全てオンラインで行う可能性もあるという。

 一方でWi-Fiなどの通信環境がない学生もおり、当面は動画配信はせずにデータ量の少ない静止画と音声で授業を展開する。学生は教員が作成した資料などをダウンロードし、教員の解説を聞きながら学ぶ。質疑応答は、会話をするように文章を投稿し合う「チャット機能」で直接やりとりできるという。

 一方で特別な道具を使う実験や、学校や農場など特定の場所で行う実習が困難といった課題もある。石田朋靖(いしだともやす)学長は「教員一人一人が知恵を出し、学生たちに不利益が生じないように努力する」と力を込めた。

 作新学院大女子短大部も20日、テレビ会議ができるパソコンのソフトなどを使い、オンライン形式で本年度の授業を始めた。

 授業に臨んだ西田直樹(にしだなおき)教授(54)は「質問が積極的に寄せられ、学生はオンラインに慣れていると感じた」と手応えをつかんだ様子。一方で1年生は9月、2年生は6月に幼稚園などで実習を控える。「実習ができないと教員免許や保育士資格が取得できず、必要に応じ実習を延期するしかない」と話した。

 22日にオンライン授業を始める国際医療福祉大大田原キャンパスは20日、新入生オリエンテーションをオンラインで行った。パソコンなどがない学生向けにタブレット端末を貸与するという。