台風19号で宇都宮市中心部に甚大な被害をもたらした田川について、県と同市は浸水した地域を含む川床を掘り下げ、上流と下流に調節池を設置する方向で検討していることが、20日までに分かった。栃木市の巴波川は、同市中心部を通る例幣使街道の下にトンネルを整備し、増水時に流水を地上と地下に分けて治水の安全度を高めるとみられる。事業期間はいずれも2021~25年度。

 田川は中心市街地を含む6・5キロ区間が対象。川底を掘削して断面を広げて2カ所に調節池を設けることで、流水を街中にも下流にも増やさずに浸水の低減を目指す。

 巴波川については2月に国と県、栃木市が検討会の初会合を開いた。蔵の街の景観を維持しながら治水を図る方法として、上流に分流施設を整備して流水の一部を地下に流し、下流で再び地上に押し上げて放流する方向で検討している。事業延長は例幣使街道の地下を中心に2・4キロ。より高度な工法を想定しており、既に地質調査に取り組んでいる。

 2河川は台風19号で堤防や護岸などの損傷はほぼなかったが、田川は宇都宮市中心部で水があふれ、約15・1ヘクタールが浸水。床上、床下合わせて約2400戸が被災した。栃木市街地でも巴波川のいっ水で約2200戸に甚大な被害が出た。県内では同市の永野川など5河川が堤防のかさ上げなどの改良復旧を行うことが決まっている。

 県は田川と巴波川についても改良に向けた取り組みをホームページで公表する予定。県河川課は「短い工期で大きな効果を出せる工法を検討している。地域の方々に随時情報発信し、理解を得ながら進めたい」としている。