新型コロナウイルスの感染が広がる中、どうすれば予防できるのか、体調を崩したらどうしたらいいのかなど、不安を募らせている妊婦も多いのではないだろうか。日本産婦人科感染症学会で理事を務める獨協医大産婦人科の深澤一雄(ふかさわいちお)主任教授(64)に、感染しないための注意点や正しい知識を聞いた。

 新型コロナウイルスの感染によって、催奇形性や流産、死産のリスクが高いとする報告はないという。ただ、一定の頻度で子宮内感染を来す可能性が報告されているため、人混みを避け、帰宅時や食事の前などこまめに手洗いをすることが重要だ。外出時でもATMなどのタッチパネルや電車のつり革、手すりなどに触れた後、手洗いやアルコール消毒を行う。

 さまざまな事情から現在も働いている妊婦も少なくない。そうした場合は自身の体調などを踏まえ、十分に勤務先と相談する必要がある。状況に応じて、時差出勤やテレワークの活用、休暇の取得などを視野に入れてほしい。

 また、喫煙は感染時の重症化リスクが高いとされている。職場や家庭などでは妊婦本人はもちろん、受動喫煙をしないように家族や同僚も禁煙を心掛ける気遣いを見せたい。 

 そもそも、妊婦は肺炎にかかると重症化する可能性があるという。「妊娠が進み、おなかが大きい状態で肺に炎症が起きると血液の流れが滞り、酸素が取り込みにくくなる」と深澤教授。万が一、37.5度以上の発熱が2日以上続く場合や強い倦怠(けんたい)感、息苦しさがあるときは、帰国者・接触者相談センターなどに連絡する。自己判断で複数の医療機関を受診するのは控える。

 新型コロナウイルスに関しては、さまざまな情報を目にすることも多い。

 深澤教授は「他の病気に比べ、感染症は心掛け次第で限りなくかからないようにできる病気。未知というだけで恐れずに、正しく恐れることが大切」と呼び掛けている。