大田原】新型コロナウイルス感染拡大を受け、「芭蕉(ばしょう)の里くろばね紫陽花(あじさい)まつり」実行委員会(委員長・園部賢一(そのべけんいち)黒羽商工会長)は19日までに、6月20日から黒羽城址(じょうし)公園などを会場に各種イベントを展開する同まつりの中止を決めた。1993年の開始以来、初の中止。例年6月中旬にアジサイの開花時期を迎えるが、同公園を管理する市は閉鎖も含めた同公園の管理・運営方法を検討する。

 同まつりは、同公園や周辺に植えられた約40種6千株の色鮮やかなアジサイを観賞しながら、地元の特産品や新鮮野菜、地酒を味わったり、郷土芸能や音楽などを楽しんだりする恒例の一大イベント。

 2018年にJRグループが展開した大型観光企画「栃木デスティネーションキャンペーン(DC)」効果で、同年の入場者数は前年比2割増の10万2千人、観光バス台数は倍増の240台となった。アフターDCの昨年もそれぞれ10万5千人、245台と増えた。

 さらなる集客が期待されたが、同商工会や市などの関係者で組織する同実行委は13日に中止を決定。園部会長は「アジサイの株数も、県外の来場者も増え、年々盛り上がってきたのに残念だ」と明かす。

 アジサイの手入れに取り組む市民グループ「くろばね紫陽花(あじさい)を育てる会」の小西久美子(こにしくみこ)会長(69)は「剪定(せんてい)の問題で花が咲かなかったことが過去にあり、以来、来場者に楽しんでもらえるよう地域で育ててきた。中止は寂しいが、今は命が優先。仕方ない」と受け止める。

 開花時期の来場者への対応も課題で、市商工観光課の担当者は「公園の出入りは自由なので、今後の新型コロナの状況を踏まえ、車止め設置や閉鎖など公園をどう管理するか検討する」と話す。5月上旬にも判断し、周知する考えだ。