たまきでは店の工房で黄ぶなっこ最中を毎日手作りしている

疫病退散を願い、「TOCHIGI MARKET」が販売している黄ぶなのTシャツ(左)とキブナドン(中央)、コレジャナイロボ

たまきでは店の工房で黄ぶなっこ最中を毎日手作りしている 疫病退散を願い、「TOCHIGI MARKET」が販売している黄ぶなのTシャツ(左)とキブナドン(中央)、コレジャナイロボ

 新型コロナウイルスの早期終息を願うべく、宇都宮の郷土玩具「黄ぶな」について5日付のまちなか便りで取り上げたところ、読者から「黄ぶなグッズをもっと知りたい」との反響があった。今回は「コロナに負けるな 第2弾」として、黄ぶな関連の商品を扱う店主の思いを聞いた。

 黄色のボディーに、赤い頭と緑のしっぽ、まん丸の目-。宮っ子にとって身近な黄ぶなには、伝説がある。昔、疫病がはやった際、田川で釣った黄色のフナを食べたところ、疫病が治ったという。以来、宇都宮では黄ぶなの張り子を飾り、無病息災を願う風習が受け継がれている。

■地元文化 和菓子で表現

 JR宇都宮駅西口から徒歩圏内。黄ぶなの最中(もなか)や工芸品などを扱う「たまき」(南大通り4丁目)の店主田巻秀樹(たまきひでき)さん(71)は、黄ぶなにほれ込んだ1人だ。

 栃木市出身の田巻さんが黄ぶなを知ったのは、宇都宮市清住で工芸の店を開いた約40年前。「無病息災を願う縁起物で、しかも癒やし系の外観。よくできたキャラクターだと思いましたね」。「宇都宮の文化を代表する和菓子を作りたい」という思いを長年温め、15年前には黄ぶなの形をした「黄ぶなっこ最中」を生み出した。

 最中の木型は彫刻が得意な田巻さんの手作りで、大通り2丁目の郷土玩具店「ふくべ洞」の張り子を基にデザインした。敬老会の引き出物として人気があり、今春は小学校の卒業記念品としても注文があったという。

 「コロナの感染拡大が懸念される今だからこそ、無病息災の思いがこもった黄ぶなで子どもたちの門出をお祝いできたのは感慨深いですね」と田巻さん。最近、市内を中心に盛り上がりをみせている会員制交流サイト(SNS)上の「#黄ぶな運動」にも参加し、「みんなの心のよりどころになれば」と願っている。

■カラフル 気持ち明るく

 大通り沿いを歩いていると、店のショーウンドーに黄ぶなのTシャツを発見。黄色の鮮やかな色合いは、インパクトがあるなぁ。

 Tシャツは、栃木にちなんだTシャツやインディーズアーティストのCDなどを扱っている馬場通り2丁目の「TOCHIGI MARKET」が販売している。コロナの感染拡大を受けて新たにデザインした。

 店内には、都内の人気デザイナーが制作した「コレジャナイロボ」の黄ぶなバージョンや「キブナドン」といった商品のほか、コロナの救世主として話題になっている妖怪「アマビエ」のTシャツも。「疫病退散シリーズ」として店頭やネットで販売しており、県内外から注文が増えているという。

 「無病息災の願いを込めて作っています。黄ぶなTシャツを自宅で来て、明るい気分で過ごしてもらえたらいいですね」と店長の野口英里(のぐちえり)さん(28)。黄ぶなは、みんなの不安な心にそっと寄り添っていますよ。