緊急事態宣言による臨時休業を知らせる店舗の張り紙=16日午後6時35分、宇都宮市本町

 緊急事態宣言の全国拡大を受けて、栃木県内の飲食店や観光関係者からは、さらなる客減少への不安や、行政による休業補償を求める声が上がった。

 「今よりさらにお客さんが来なくなる」。16日午後6時半すぎ、宇都宮市池上町のラーメン店。男性店主(78)はこの日の店じまいを始めながら、こう漏らした。感染拡大の影響で客は大幅に減り、約1週間前から閉店時刻を2時間ほど早めている。「10いた客がコロナで1になった。その1が(宣言で)ゼロになる」。休業要請があれば従わざるを得ないが、「補償をしてもらわないと生活できない」とため息をついた。

 「宇都宮動物園」(宇都宮市上金井町)の荒井賢治(あらいけんじ)園長(55)は「経営的にかなり厳しく、ゴールデンウイークも来園者が見込めないことも覚悟している」と吐露する。来園者が来なくとも、動物を世話する経費は掛かり続ける。緊急事態宣言が、餌の調達に影響する可能性もあるという。「市場などが閉まれば野菜や魚も手に入らなくなる。買いだめもできないので、物流がどうなるかも非常に大きい」と懸念する。

 「感染拡大を止めるためには(宣言は)やむを得ない」と「那須ハイランドパーク」(那須町高久乙)の担当者。営業自体は継続しているが、客数の落ち込みが続く。

 塩原温泉の旅館「やまの宿下藤屋」(那須塩原市湯本塩原)の渡辺幾雄(わたなべいくお)社長(61)は「経営的には非常に厳しいが、一日も早い終息に向かうなら良いこと」と声を絞り出す。4月の客数は前年から8割減といい、「問題が長期化すれば、人手不足の中で確保したスタッフが流出しかねない」と話した。

 映画館「フォーラム那須塩原」(同市豊浦)の担当者は「仮に休館の要請や指示があれば会社として協力する形になると思う」。「MOVIX宇都宮」(宇都宮市インターパーク6丁目)は17日から当面、営業を休止するという。