「緊急事態宣言を国が出すことで、実態に即した対策を自治体ごとに打てるようになるということ。決して油断はできないが、現段階で極端に県民の生活を変えたり、都市封鎖的な想定をしたりする必要はない」

 ウイルス学を専門とする獨協医大の増田道明(ますだみちあき)教授(61)は、県民に冷静な受け止めを求める。

 栃木県内の感染症指定医療機関のベッドは、満床に近づいている。「宣言による法的な裏付けがあれば、軽症者にホテルや自宅に滞在してもらう事態になった時、適切に対応できる」と危機管理の側面を指摘。「地域ごとの特性に応じ、自治体はより小回りのきいた対策が可能になる」と説く。

 県内の感染状況については「感染者は増えているが爆発的な増加や重症者の急増はなく、緩やかな増加を維持できている。県民はこれまで続けていることの努力の成果が出ているととらえていい」と評価する。

 「観光産業を始め、自粛や休業で生活や仕事が苦しいと思うが、ここで緩めず、当面ゴールデンウイーク明けまでは協力して耐えることが大切」と呼び掛ける。

 マスクや手洗い、消毒など基本的な対策の継続も重要となる。「外出自粛も『3密』による飛沫(ひまつ)感染のリスクを避けるため。戸外の空気に触れてはいけないなど誤ってとらえないよう、改めてウイルスを正しく理解してほしい」と求める。

 行政の情報発信の在り方についても「県は情報発信のチャンネルを増やし、知事もこれまで以上に県民へ分かりやすくメッセージを伝えてもらいたい」と注文した。