夏の夜空を彩った昨年の足利花火大会(約15秒間露光)

 足利商工会議所会頭で足利夏まつり実行委員会の相馬稔(そうまみのる)委員長は16日、同商議所で記者会見し、8月22日に予定していた第106回足利花火大会の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止や大会を支える地元事業者の経済的打撃などが理由で、相馬委員長は「全市民がもろ手を挙げて『やって良かった』と思える状況でない限り、やるべきではない」と強調する一方、伝統ある大会だけに「断腸の思い」と胸中を吐露した。

 開催か中止の決定は当初、5月中を見込んでいた。だが今月14日の実行委の会議で「5月も状況が変わらないのであれば、結論は早い方がいい」との意見があり、決定を早めた。

 大会は市を挙げた伝統行事で、開催予算約9900万円のうち約5100万円を地元のスポンサー企業や個人商店などの寄付が支えている。協力依頼などの準備は本番の3~4カ月前には始まるため、準備期間中の感染防止も考慮した。

 相馬委員長は「経済的状況を考えると無理して実施するのでなく、予定していた寄付や協賛金をそれぞれコロナウイルス対策に充ててしのいでもらう方が優先されるべきだろう」と話す一方、仮に感染が今夏にも落ち着いた場合は秋冬に集客を見込める催しなどを検討する考えを示した。

 1903年に始まった大会の中止は太平洋戦争前後の1938~48年、交通規制が対応できなかった65年だけ。「来年の今頃は実施に向けてプランを立てたい。延期された東京五輪・パラリンピックもあり時期の協議が必要だが、来年は市制施行100周年でもあり普段の10倍素晴らしい大会にしたい」と前を向いた。