ミシンでマスクを縫い合わせる従業員。自らも自社製マスクを付けている=今月上旬、栃木市

ピーチテックオフィスプロジェクトのPRチラシ

ミシンでマスクを縫い合わせる従業員。自らも自社製マスクを付けている=今月上旬、栃木市 ピーチテックオフィスプロジェクトのPRチラシ

 インナーメーカーの小林縫製工業(栃木市川原田町、小林雄一(こばやしゆういち)社長)は、新型コロナウイルスの影響で品薄状態が続くマスクの生産に乗り出した。「新型コロナに負けるな」を合言葉に、自社のマスクを着用する人に感染予防の徹底を呼び掛ける活動にも取り組む。小林社長は「1日も早い感染拡大の終息のために、縫製会社である自分たちにできることをしていきたい」と話している。

 同社は女性用インナーなどを手掛ける。2月下旬、マスクの入手に苦労する従業員の声に応え、自社開発の肌に優しい素材「ピーチテック」を使ったマスクを開発した。

 名称は「ピーチテックオフィス」。洗えば繰り返し使用でき、縫製技術を生かしたフィット感と蒸れにくさが特徴だ。耳に掛けるゴムの長さを自分で調節できるため、子どもから大人まで使える。

 初めは約1千枚を生産し、従業員やその家族、近隣住民などに無償で配った。栃木市や地元の福祉施設にも寄贈した。同時に、マスクを着ける人に手洗いなどを呼び掛けるプロジェクトを始めた。賛同者を「エチケットマスター」として、マスク姿の写真をホームページ(HP)で公開している。

 マスクが評判になり受注、販売が始まったことで、プロジェクトの輪も広がりを見せる。15日までに約180人の写真が集まった。中には感染拡大が深刻なイタリアで暮らす夫妻の姿もある。

 小林社長は「一人一人が感染しない、感染させないという自覚を持つきかっけにしてほしい」と訴える。

 マスクは1セット2枚入りで3千円。ミシンを使って手作業で作るため生産量に限りがあり、現在は約20日待ちの状態という。ウェブ販売しており、同社のHPから注文できる。