ホテル丸治が販売を始めたテークアウト用の弁当=14日午前、宇都宮市泉町

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて国が7都府県へ緊急事態宣言を出したのに続き、本県でも福田富一(ふくだとみかず)知事が22日までの外出自粛要請を行い、県内飲食店は客の減少や売り上げの落ち込みなどにより苦境に立たされている。一方で、活路を見いだそうとテークアウトに力を入れ始めたホテルや料理店なども増えている。経営者らは事態の早期収束を願いながら奮闘を続けている。

 宇都宮市泉町のホテル丸治は、今月上旬から弁当やオードブルのテークアウトサービスを始めた。ホテル内飲食店で普段提供しているメニューのほか、新たに考案したガパオライス弁当などを扱う。

 福田治久(ふくだはるひさ)専務(46)は「飲食店の売り上げは前年比の半分は減っている。テークアウトを始めても目標には届かない」と明かす。それでも「食事の用意が難しい人にもおいしい弁当を提供することで、地域を元気づけたい」と前を向く。

 同市江野町の「旬味割烹(かっぽう) 三日月」も同時期からテークアウトメニューを公開した。これまでは客から依頼された場合のみ対応していたという。

 店主の茂木隆弘(もぎたかひろ)さん(42)は「本来歓迎会の時期にもかかわらず、予約は真っ白」と肩を落とす。「何もしないわけにはいかないとテークアウトを始めたが、やっぱり本音を言うとできたての料理を食べてもらいたい。(事態が)収束してくれれば…」と漏らす。

 県北初の感染者が那須塩原市内で確認されたことを受け、同市材木町のピザ店「ラ・マドレ」は、11日から店内での提供を取りやめた。同店の金子美子(かねこよしこ)さん(72)は「家でじっくりと(テークアウトで)店の味を楽しんでほしい」と話す。

 同じように、下野市小金井の「cafeくりの実」も8日から、テークアウトのみの営業に切り替えた。しかも食事のメニューを2種類に絞った。

 運営する介護付き老人ホーム「新(あらた)」の横木淳平(よこきじゅんぺい)施設長(37)は「従業員を隣接するホームに配置転換できるので踏み切れた」。客からは残念がる声もあったが、「社会全体にテークアウトというスタイルが浸透するきっかけになれば」と期待も口にした。