新型コロナウイルスに関する電話相談などに当たる県西健康福祉センターの職員ら。この日も相談の電話がたびたび鳴った=14日午前、鹿沼市今宮町

 新型コロナウイルスに関する相談が栃木県内で急増する中、感染拡大を防ぐ要の一つが県広域健康福祉センター(県保健所)と宇都宮市保健所だ。この3カ月弱の電話相談は1日平均で約200件。相談対応のほか、感染者の行動歴や濃厚接触者の調査、検体の回収・運搬など業務は多岐にわたる。感染のまん延を防ごうと、各保健所の職員は対応に追われている。

 「感染の可能性は低いと思われますので、処方されたお薬を飲んでください」

 14日正午ごろ、県の県西健康福祉センター。数分間にわたり電話相手の状況を聞き取った職員が、最後に語り掛けた。

 同センター管内(日光、鹿沼市)は計3人の感染者をこれまでに確認した。健康対策課の職員14人を中心に、各課の職員24人も応援で加わりローテーションを組むなどして対応に当たる。主要業務の一つが市民や医療機関からの相談対応で、最近は「どうすれば検査を受けられるか」といった相談が増えているという。

 渡辺晃紀(わたなべてるき)所長(50)によると、「37.5度以上の発熱が4日以上続く」など受診の目安に照らして帰国者・接触者外来につなぐ。だが、「目安に該当しなくても感染を100%否定はできない。一方で全員を検査しようとすれば、帰国者・接触者外来がパンクする」。渡辺所長は、検査の必要性を見極める難しさを指摘する。

 感染者の行動歴などを聞き取る積極的疫学調査も重要だ。

 感染者が確認されれば、保健所は患者の入院手続きを進める。同時に患者本人に電話をかけ、発症日を特定。その後、感染経路の判定とまん延防止のため、発症日の2週間前から陽性判明までの行動を詳細に尋ねる。「家族と1日にどれくらい接するか」「食事は一緒か」「寝室はどうなっているか」。プライバシーにもかなり踏み込むため、患者の協力は不可欠という。

 相談業務に加え、検体の回収・運搬、患者の調査も増えつつあり、土日・夜間の残業など現場の消耗は激しい。渡辺所長は「感染を広げないことが重要。しばらくは地道にやっていくしかない」と語った。