修繕された角塔婆を前に営まれた法要

 【栃木】渡良瀬遊水地の谷中村史跡で、昨年の台風19号で流された角塔婆や共同墓地の修繕がほぼ完了し、12日、法要が行われた。村民の子孫らでつくる「谷中村の遺跡を守る会」などの旧谷中村関係者ら約20人が出席。高際澄雄(たかぎわすみお)会長(71)は「この地を守ることができて良かった」と話した。

 台風19号によって、史跡の延命院跡共同墓地や供養のための角塔婆が流され、墓石や石碑なども被災していた。共同墓地の修繕には、村民の子孫で茨城県古河市の石材業水野清(みずのきよし)さん(84)が尽力。倒壊や盗難の危険を無くそうと、鉄筋やセメントなどで固定した。角塔婆は同会が建立した。

 法要では、新調した角塔婆を除幕した後、地元赤麻寺の仙田光俊(せんだこうしゅん)住職が読経する中、参列者が焼香した。出席した村民の子孫たちが、足尾銅山鉱毒事件に伴い強制廃村となった旧谷中村の歴史を語るなどして、しめやかに営まれた。

 水野さんは持病悪化のため、法要に出席できなかった。高際会長は「献身的に修繕をしていただいたので、元気になられたら改めてお礼をしたい」と述べた。父が旧谷中村で育ったという野木町野木、田村行子(たむらゆきこ)さん(89)は「災害を乗り越え、慰霊していただけることを誇りに思う」と話した。