栃木SCの今季開幕戦となったアウェー長崎戦。リーグ戦再開の見通しは依然として立たない=2月23日、長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、8日に4度目の公式戦延期を発表したJリーグ。今後、さらに再開時期が遅れて延期試合が中止になるなどのケースが出てきた場合、J2栃木SCの損失額は億単位に上る可能性が出てきた。橋本大輔(はしもとだいすけ)社長は「クラブの存続危機になりかねない」として危機感を強めている。

 今季のJ1、J2は2月26日から公式戦が中断。その後は再開日に設定された3月18日、4月3日、4月25日~5月9日(J3は開幕)がいずれも延期され、今月8日には5月27日まで中断期間を延ばすことが発表された。リーグ戦についてはJ2、J3から上位2チームが自動昇格する一方、降格はなしとすることが決まっている。

 栃木SCの場合、5月末までに予定されていたホーム戦は計8試合。この中には大宮、新潟など多くの集客が期待される試合も含まれ、クラブは入場料、グッズ収入などを合わせて計約9千万円の売り上げを見込んでいた。これらの代替試合が平日に組み込まれ、アウェーサポーターの来場自粛などの感染予防措置を講じた場合、「損失額は7~8千万円に膨らむ可能性がある」(橋本社長)という。

 さらに延期試合がそっくり中止となった場合、スポンサーが契約料の一部返金を求めてくることも考えられ、クラブはその総額が最大で数億円に膨らむと試算。橋本社長は「何とか支えてもらえるように話し合っていくしかない」と苦しい胸の内を明かす。

 もう一つの課題は再開後の会場確保。Jリーグは3月下旬、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、今後の試合を「観客席の前後左右を空け、収容率50%以下」とする対応を各クラブに求める方針を決定。今季大半のホーム戦を行う予定だった県グリーンスタジアム(通称・グリスタ)はベンチや立ち見席が多いことから、クラブは全席個席の「カンセキスタジアムとちぎ」の試合数を当初予定した5試合から増やすことも視野に入れ始めた。

 ただ、その場合の費用は1試合あたりでグリスタの1・5倍以上と推定され、使用回数が増えれば財務へのさらなる打撃は不可避。再開の見通しが立たない中、栃木SCが経営面で難局を迎えつつある。