被害が手つかずのままの粟野川=11日午後、鹿沼市中粟野、小型無人機から

 甚大な被害をもたらした台風19号の本県直撃から12日で半年となる。県は被災した県管理公共土木施設904カ所のうち、8割で復旧工事の発注を終えた。河川は出水期までに被災前以上の安全性確保を図るべく、対策を進めている。家屋などの「公費解体」は184件の申請があり、5月以降に作業が本格化。災害廃棄物は現在も16カ所の仮置き場で保管され、処理が続く。災害の応急対応は一段落したものの、復旧復興や生活再建は道半ばだ。

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 台風19号では県管理の40河川67カ所、国管理の1河川11カ所で氾濫した。4人が死亡し、23人が負傷。浸水被害は最大で床上1万139棟、床下9532棟に達した。369カ所の避難所が開設され、一時1万9822人が身を寄せた。

 被害額が約443億円に上った河川や砂防、道路などの公共土木施設。県管理分は3月末時点で8割の復旧工事を発注し、緊急性が高い92カ所は出水期までに工事を終える。774カ所が被災した河川は、全ての復旧完了まで数年かかる。

 甚大な被害が出た栃木市の永野川など5河川は、川底の掘り下げや堤防のかさ上げといった改良工事を伴う改良復旧を行うことが決定。中心部に浸水被害をもたらした宇都宮市の田川と栃木市の巴波川も改良に向け、関係機関が協議を続けている。

 それ以外の河川は、従来の機能を回復させる原形復旧を施し、堆積土の除去や長時間の洪水に耐える堤防強化などを行う。ソフト面では、浸水リスク想定図を追加作成する56の中小河川や、危機管理型水位計67カ所と簡易型河川監視カメラ64カ所の増設を決めた。

 所有者の申請により市町が家屋などを解体・撤去する公費解体は、栃木や佐野など3市町で3月末までに184件の申請があった。全ての作業は年末までかかる見通しだ。所有者が解体した費用を行政が負担する自費解体費用償還制度も、申請は239件に上った。

 災害廃棄物の発生量は被災箇所から片付けられたごみが10万トン、公費解体ごみが4万2千トンと推定されていたが、実際の量は下回る見通し。13市町36カ所にあった仮置き場は2月末時点で16カ所が残っており、発災1年以内を目標に処理が続く。

 宇都宮市以外は災害対策本部を解散したが、復興本部などを維持する自治体もある。宇都宮市と鹿沼市の一部では、現在も避難勧告が発令されている。