流された部分を整地、再建されたビニールハウス

堤防が洗掘され、ハウス内の土砂を押し流した=昨年10月、市農業公社提供

流された部分を整地、再建されたビニールハウス 堤防が洗掘され、ハウス内の土砂を押し流した=昨年10月、市農業公社提供

 【鹿沼】昨年10月の台風19号で被災した、市農業公社(塩山町)の水稲育苗施設の大型ビニールハウスが職員の手で見事に復旧した。現在、ハウス内は田植えを前に緑の苗が順調に育っている。同公社の田野井康弘(たのいやすひろ)常務理事は「職員総掛かりで復旧作業を行った。今年も無事に受託水田の田植えができる」と話す。

 市内で大規模な被害が出た台風19号。市農業公社も西側を流れる大芦川の左岸堤防が洗掘され、育苗用の大型ハウス7棟のうち、2棟の地面がえぐり取られた。床部分が空洞になったため、ハウスの骨組みも曲がり、沈んだという。

 業者による復旧工事の見積もりは1棟(縦約30メートル、横約50メートル)約3千万円。市にも予算はなく、職員で復旧するしかなかった。県による堤防の仮復旧を待ち、年明けから職員が仕事の合間に作業を開始。重機の使用は仕事柄、手慣れたものだったが、膨大な量で時間にも追われた。

 大芦川の対岸の土砂を利用し、同公社によるとダンプ200台分の土砂を運び整地。骨組みのパイプはつないで高さを確保した。費用は材料費の約200万円で復活させた。

 播種(はしゅ)作業、パレットをハウス内に並べるのは機械化されており、ハウス内は緑一色。今年は16日に田植えを始める予定になっている。市内537戸から受託、栽培面積は420ヘクタールにも及ぶ。また苗のみの受託もある。

 同公社の大貫義久(おおぬきよしひさ)生産事業課長は「台風の被災を受けた時はどうなるかと思った」と振り返り、「間に合いました。苗も順調に育っています。おいしい米を作れる」と胸を張った。