障害者施設で利用者の手足を縛り放置する虐待があったとして、県は10日、施設を運営する社会福祉法人「瑞宝会」(宇都宮市下栗町、三上公博(みかみきみひろ)理事長)に行政処分を行った。処分対象は「サント・ニーニョ・ハウス」(那須塩原市美原町)と「ミカエラ・ハウス」(那須町湯本新林)の2施設で、いずれも精神障害者などを受け入れる短期入所施設。5~7月の新規利用者の受け入れを禁じた。

 県障害福祉課によると、昨年7月4、22の両日、ミカエラ・ハウス内で職員とトラブルになった利用者が暴れた際、施設側が利用者の手足をガムテープで縛った。手は後ろで縛られ、床に座らせた状態で約30分にわたり放置したという。

 被害に遭ったのはそれぞれ男性1人と女性1人の計2人で、業務で同施設を訪れていたサント・ニーニョ・ハウスの男性施設長が縛ったという。2人にけがはなかった。

 昨年11月に女性が別件で那須塩原市職員とやりとりをした際に、被害を申し出て発覚。同市から連絡を受けた県が施設に立ち入り調査を行い、職員らへの聞き取りを通じた事実確認を進めてきた。複数の職員には虐待であるとの認識があったという。

 行政処分を受け、10日に取材に応じた同法人本部事務局の梅津英雄(うめづひでお)事務長(62)は「利用者が暴れて他の利用者に危害を加えたため、やむを得ず手足を縛った。見解の違いはあるが、虐待であるとの指摘は真摯(しんし)に受け止めたい」と話した。利用者の手足を縛った施設長は既に解雇したという。

 同法人を巡っては2017年4月、施設職員による入所者への傷害事件が起きた。18年にも介護給付費の不正受給があったとして県の行政処分を受けている。