13日からの休業を決めたスナック「パントマイム」=10日午後、宇都宮市東宿郷2丁目

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた7都府県対象の国の緊急事態宣言が、県内にも徐々に影響を及ぼしている。JR宇都宮駅近辺の歓楽街は人通りがまばらになり、休業を余儀なくされた店舗もある。再開の見通しは不透明で、関係者は先の見えない状況に頭を抱えている。

 「スーツ姿の人を全然見なくなっちゃった」

 JR宇都宮駅東口の歓楽街でスナック「パントマイム」を経営する山口江美子(やまぐちえみこ)さん(66)はため息をつく。13日から1カ月間、休業することを決めた。40年の歴史で初めての長期休業になるという。

 周辺には大手企業の支店が多く立地し、常連客が多い。新型コロナウイルスが中国で猛威を振るっていた2月上旬から、企業の自粛ムードのあおりを受けて客足が途絶え始めた。最近では客がゼロの日も珍しくなく、「やればやるほど赤字」だった。

 2008年のリーマン・ショック、11年の東日本大震災の時も景気の低迷を実感した。それでも「やっていけない」とまで感じたのは今回が初めて。「コロナが話題にならない日常に早く戻ってほしい」。再び客を出迎える日を待ち望んでいる。

 宇都宮市内のスナックなどの飲食店で構成する県社交飲食業生活衛生同業組合宇都宮支部の中野智之(なかのともゆき)支部長(57)は「客の数が危機的に減っており、このままだと廃業を考える店も出てくる」と警鐘を鳴らす。

 終息の兆しが見えれば、客足も戻ると期待するが、現状は厳しい。店を開け続ければ、その分コストがかさむのが現状だ。「休んだ場合の補償の有無を気に掛ける同業者は多い。ただ、感染リスクにおびえながら営業できないという思いもある」と苦しい胸の内を明かした。