本県の新型コロナウイルス対策はさらに厳しい局面に入った。県内での急速な感染拡大などを受け、福田富一(ふくだとみかず)知事が10日、22日まで県内全域で不要不急の外出を自粛するよう県民に求めた。日常生活から企業活動、飲食店の経営まであらゆる分野への影響が予想される中、県民や企業などからは、外出自粛への評価と今後への覚悟、戸惑いの声が交差した。

 9日に初めて感染者が確認された那須塩原市に住む、会社員大蔵謙次(おおくらけんじ)さん(49)は「いい判断。感染経路が分からないし、非常に怖い。3歳の息子もいるので、必要以上の外出を控える。あとはみんながどれだけ協力して(外出を)我慢できるか」と話した。

 小山市神鳥谷、会社社長佐藤晴美(さとうはるみ)さん(50)は、経営する人材コンサルタント会社で東京、大阪方面の研修全てがキャンセルとなるなど打撃を受けている。それでも「感染防止のためにはやむを得ない」と理解を示す。取引先との会議はほぼオンラインに切り替え、子連れ出勤も認めている。「感染拡大が収まるまでは従業員のリモートワークが増えそう」と覚悟を決める。

 県内で路線バスを運行する関東自動車(宇都宮市)の石原玲一(いしはられいいち)常務執行役員は「外出自粛は仕方ない。利用者の減少を受けてすでに減便を決めており、今回の発表自体が大きな変化をもたらす訳ではない」と冷静に受け止める。「営業とのバランスもあるが、交通インフラとしての社会的役割を果たしていかなければならない」と力を込める。

 JR宇都宮駅東口で居酒屋を経営する杉山直也(すぎやまなおや)さん(41)は「状況が首都圏と同じになってきた」と深刻に受け止める一方、知事の発言は「具体性に乏しい」と不満を漏らす。「『居酒屋は休業してくれ』と言われた方が気持ちを切り替えられる。これじゃどうすればいいのか」と先が見えない状況にため息をついた。

 密集などのリスクが懸念されている娯楽施設。3月の売り上げが前年の4割減と深刻な宇都宮第二トーヨーボウル(宇都宮市)の池田恵子(いけだけいこ)社長(54)は「お金より命が優先。知事のメッセージを重く受け止めたい」。政府の緊急事態宣言を受け、夜間の営業取りやめを決めていたが「地元の企業の動きをみながら休業も考えたい」と踏み込んだ。