町道沿いを彩る満開のベニシダレザクラを眺める小林さん(右)と檜山さん

 【茂木】町北部の山あいの山中地区で、地域住民が沿道や土手に20年ほど前から植えて手入れしてきたサクラが枝ぶり良く育ち、過疎の集落に潤いを与えている。地区を挙げて毎年楽しむ花見は新型コロナウイルスの影響で中止されてしまったが、秋の紅葉を楽しみに夏場の草刈りの時期を迎える。

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 小深(おぶか)の山中地区集落は全11戸。過疎と高齢化が進み、篠(しの)竹が繁茂して荒れた集落に美しい景観を取り戻そうと1996年、町に相談。芳賀地区森林組合の協力で篠竹を刈り払い、翌年ベニシダレザクラ100本を植えて以降、補助金などを利用して4年かけサクラ約500本を植えた。

 集落を通る町道沿い1キロ余りや周辺の屋敷周りには約250本が根付いて育ち、見事な花を付ける。10日現在、サクラは満開となり、普段人影が少ない静かな山あいの集落は華やいでいる。集落で2番目の年長だが今もサクラの手入れに心を砕く檜山俊男(ひやまとしお)さん(80)は「まるで見違えるようになった」と目を細める。

 「山あいにこれだけサクラがまとまって植えられている所はあまりない。この春に限っては、近隣からお客が来る」と、誇らしげに話すのは、20年余り前サクラの植栽を主導した区長の小林恒夫(こばやしつねお)さん(72)だ。

 11日には、沿道の一角のあずまやに20人ほどが集まる集落の恒例の花見を予定していたが断念した。檜山さんも小林さんも今は気持ちを切り替え、春同様に美しい集落の秋の紅葉の時季の宴を楽しみにしている。

 「80歳でもまだ主力で草刈り」と明るく笑う檜山さん。集落の各戸の跡取りはは外へ出てしまい将来は見通せないが、体が続く限り愛らしいサクラの手入れに精を出すつもりだ。

 (問)小林さん0285・62・0023。