6段位を1回の受審で取得した猪越夫妻

 全日本空手道連盟の6段を、ともに持つ夫婦が市内にいる。栃木県足利市朝倉町の猪越悠介(いのこしゆうすけ)さん(39)と美樹(みき)さん(41)。このほど、そろって合格した。県空手道連盟によると、過去6年間の6段審査の合格率は約15%の難関で、夫婦で取得したのは県内で初めてという。2人はそれぞれの舞台で、後進の育成や空手の普及に当たっている。

 悠介さんは鹿島町の空手道場「青空塾(せいくうじゅく)」の指導者、美樹さんは駒沢大総合教育研究部スポーツ健康・科学部門准教授を務める。悠介さんは周囲から認められる空手指導者を目指し、美樹さんは女性空手家の地位向上につなげたいと、それぞれ6段の取得に挑んだ。

 6段取得には2種類の「形」と「組手」が審査される。さらに筆記試験が追加されるため、悠介さんは「不安があった」と振り返る。美樹さんは出産を経て数年のブランクがあったが、育児の合間に稽古を重ねた。

 県空手道連盟によると、6段は複数回受審して昇段する人もいるという。だが、2人とも昨年の審査で、1回で昇段を決めた。「一発合格できたのはうれしい。お互いの空手道が認められた瞬間だった」と、2人は難関突破を素直に喜ぶ。基礎、基本の土台が身についていたからこそ合格できたという。

 2人が7段の受審資格を得るのは、2025年以降。「そのころには年齢が上がり、体力の維持が厳しくなる」と口をそろえるが、今後は体力を補う動きを日々の鍛錬で身につけ「夫婦での一発合格を目指したい」と、5年後を見据えている。