葬儀用ケータリング業の松田商事(小山市萩島、松田繁(まつだしげる)社長)が事業を停止し、破産申請の準備に入ったことが8日、東京商工リサーチと帝国データバンクの両宇都宮支店の調べで分かった。新型コロナウイルス感染拡大による葬儀後の会食自粛が影響したとみられる。東京商工リサーチ宇都宮支店によると、新型コロナウイルス関連での倒産(負債額1千万円以上)は県内で初めて。

 同支店の調べによると、事業停止は3日で、負債総額は約1億8500万円。

 松田商事は2006年設立された。「バラエティケータリングサービスRico」の名前でイベントやパーティーにケータリングサービスを提供していた。営業エリアは小山市を中心とする県南地域のほか、茨城県にも進出していた。

 近年、景気低迷で催事が大きく減少し、葬儀用ケータリングを主軸に経営を維持していた。しかし今年2月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大で葬儀後の会食を自粛するケースが相次ぎ、事業継続を断念した。

 同社の代理人弁護士によると、今月4日付で埼玉県内の別会社に事業を譲渡した。この別会社の下で従業員の雇用は維持し、事業もこれまで同様に継続しているという。

 新型コロナウイルスの県内企業への影響について、東京商工リサーチ宇都宮支店は「本格的に表れてくるのは5月のゴールデンウイーク以降」とみており、「資金的な体力消耗が進めば零細事業者の経営が行き詰まり、事業承継問題も加わり、休業・廃業から倒産に追い込まれる事案も増える見通し」と指摘している。