約1カ月の休止期間を経て練習を再開した石橋高の陸上部員ら=同校

凝り固まった肩甲骨をほぐすストレッチを紹介する矢野医長(奥)=栃木市内

約1カ月の休止期間を経て練習を再開した石橋高の陸上部員ら=同校 凝り固まった肩甲骨をほぐすストレッチを紹介する矢野医長(奥)=栃木市内

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止となっていた県立学校の部活動が3月末から再開した。だが、約1カ月ぶりとなる本格的な練習にはけがのリスクが潜む。軒並み主要大会が中止となったことで、目標が定まらないまま練習に臨んでけがをする選手も。専門家は「まずはストレッチと体幹トレーニングが必要」と警鐘を鳴らしている。

 6日、石橋高グラウンドでは陸上部員が練習を実施。八種競技の多田成(ただあきら)主将は「再開してほっとした」と汗を拭った。同校は2月28日から休止していた部活動を3月27日から再開した。陸上部では各部員に登校前の検温を義務付けるとともに、感染防止のため練習も2時間程度にとどめている。

 部活動が休止している間も自主練習を欠かさなかったという多田主将。それでも「筋肉量が落ち、いきなり動くのは怖い」と本音を漏らす。昨秋の関東高校選抜新人大会女子5000メートル競歩女王の内藤未唯(ないとうみゆ)は、自主練習中のオーバーワークにより両太ももに痛みが走った。「私は大会で記録が伸びるタイプ。大会がない現状がもどかしい」。部活動再開後にけがをした部員もいる。

 栗原浩司(くりはらこうじ)監督は「全体的に動きが重くなっているが、子供たちは強くなりたいと無理をする」と、けがのリスクが高まる状況を懸念する。

 けがのリスクを抑えるにはどうすべきか。日本スポーツ協会公認のスポーツドクターで、とちぎメディカルセンターしもつがスポーツ健康科の矢野雄一郎(やのゆういちろう)医長は「姿勢を伸ばすところから改善した方がいい」と指摘する。

 投球動作やランニングの腕振りなど、あらゆるスポーツの動作に重要な肩甲骨の動き。矢野医長が勧めるのは、脊椎をまっすぐ伸ばし、肋骨(ろっこつ)を動かして胸郭をしならせるイメージで深呼吸すること。下半身強化には片足を前に、もう片方を後ろに伸ばし、上体の上下運動で大臀(でん)筋や太ももの筋肉を鍛える「ランジストレッチ」が有効だという。

 矢野医長は「休み明けのコンディションはまちまち。体力を確認し、徐々に負荷を増やすよう意識してほしい」と呼びかけていた。