首都圏へ通勤や通学をするなど、多くの人が行き交うJR宇都宮駅の新幹線改札口=6日午後、宇都宮市川向町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、国が初の緊急事態宣言に踏み切る意向を固めた6日、対象地域となる首都圏と本県を仕事で行き来する県民らは「可能な限りテレワークを推進する」と冷静に受け止める一方、感染爆発の脅威の中で「もっと早く発令してほしかった」と国の対応を疑問視する声もあった。自粛ムードのさらなる高まりが予想される飲食業界や買い占めの拡大を懸念する消費者からは戸惑いも漏れた。

 「発令もやむを得ないと思っていた」。6日夕、JR宇都宮駅。宇都宮市清住3丁目、税理士板垣弘一(いたがきこういち)さん(55)は国の方針を冷静に受け止めた。

 都内などで月に3~4回開催されてきた業界団体の会議は今後、インターネットを使った在宅の会議に切り替わるという。「一日も早く終息に向かってほしい」と願った。

 第二東京弁護士会所属の弁護士水橋孝徳水橋孝徳(みずはしたかのり)さん(37)は「もっと早く発令されていれば、今日は宇都宮に来なかった」と複雑な表情を浮かべた。顧客との打ち合わせで訪れたが、「本音を言えば、外出はしたくない」。緊急事態宣言で外出自粛の要請がさらに強化されれば、「顧客にも理解を求めやすくなる」と語った。

 「自粛ムードが強まって、さらにお客さんが来なくなるのではないか」。飲食店「大衆割烹(かっぽう)だるま」(小山市中央町3丁目)の黒川直久(くろかわなおひさ)さん(52)は危機感を募らせる。3月と4月は本来、繁忙期だが2週間ほど前から宴会のキャンセルが続き、団体客は来なくなったという。「もし感染となれば周囲に与える影響が大きいし、外出は遠慮するよね」と声を落とした。

 6日夕、夕食の買い物に宇都宮市内のスーパーを訪れた同市若草2丁目、パート従業員女性(40)は「(感染は)人ごとじゃない」と感じ、外出は必要最低限にしているという。一方「買いだめをすると必要な時に必要な人に行き渡らない」と強調。食料品や日用品の買い出しは普段通りを心掛けている。

 同市、主婦藤沼裕子(ふじぬまひろこ)さん(68)は「緊急事態宣言と聞いてさらに大変な状況になってきたと不安を感じる。栃木県は東京に近いし、感染の拡大が心配」と表情を曇らせた。