高級パジャマ製造の技術を生かしてマスクを縫製する従業員

坂西北小に布マスクを寄贈した中村社長の妻てい子さん(左)と新井校長

高級パジャマ製造の技術を生かしてマスクを縫製する従業員 坂西北小に布マスクを寄贈した中村社長の妻てい子さん(左)と新井校長

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が深刻化する中、高級パジャマを手掛ける足利市松田町、縫製加工会社「テキスタイル・サンワ」は、技術を生かして布マスク作りに挑んでいる。依頼された地元の坂西北小には6日、全児童に行き渡る300枚超を寄贈。中村武男(なかむらたけお)社長(71)は「困っているなら、できることをお手伝いするだけ」と奮起するが、依頼が相次いでおり、今は新たな相談には応じきれないほどだという。

 同校はPTAと、新学期を控えて児童のマスク調達を検討。同社の情報を聞いた新井和子(あらいかずこ)校長が直談判したところ、中村社長が10年余り前に同校の放課後学童クラブ開設に尽力した縁もあり快諾してもらった。

 「保護者もマスクを並んで購入しており、買いたくても買えない方もいる。新学期はどうしようかと悩んでいたので、とても感謝している」と、新井校長。全児童127人に2枚ずつ配布するという。

 同社のマスク作りのきっかけは3月上旬、取引先からの依頼だった。「1万枚作ってくれ」。高級パジャマの素材の綿布は、顔に直接触れるマスクにちょうどいい。中村社長は「お役に立てれば」と引き受けた。

 中村社長を含め従業員15人が手分けして、パジャマ製造と並行してマスク作りを始めた。顔の形に合う立体型と四角の2種類を作るが、マスクはパジャマに比べて小さいので手作業が多く手間がかかるという。

 残業もしながら、取引先には同26日、約1万3千枚を納品した。取引先からは追加の生産も依頼され、坂西北小のほか市内の高齢者施設などからも相談が相次いでいる。

 ただ、人手が限られているのが悩みだ。中村社長は「従業員など皆の協力があってできている。困っているのなら、できるだけやろうとは思うのですが」と話している。