家族で取り組む農業経営について、経営方針や就業条件などを取り決める「家族経営協定」の県内締結農家数が、昨年3月31日時点で3751戸だったことが5日までに、農林水産省のまとめで分かった。順位は全国3位で、前年同期と比べると2・3%増加した。県全体で推進を図ってきたことが奏功したとみられる。

 同協定では家族間の十分な話し合いに基づいて、全員が意欲と生きがいをもって農業に取り組めるよう、休日や労働時間、報酬、家事労働も含めた役割分担などを取り決める。

 農水省のホームページによると、農業は家族単位で営む人が多いため各世帯員の役割や労働時間、報酬などが曖昧になりやすく、不満やストレスが生まれやすい。このため協定締結をきっかけに、家族全員が意欲的に働ける環境の整備や農業経営の改善につなげてもらおうと、国は普及推進に取り組んでいる。

 県も2001年に「とちぎの農業・農村男女共同参画ビジョン」を策定し、個々の能力が発揮できる家族経営を推進している。

 県経営技術課によると、市町や農業関係団体が会議の場などで協定の締結を呼び掛けている。こうした結果、締結農家数調査が始まった11年以降、本県の締結農家数は右肩上がりに増えている。

 17年に締結した宇都宮市福岡町、ナシ農家駒場真司(こまばしんじ)さん(35)は協定メリットについて、「家族と話し合いながら休みなどを設けると一つのモチベーションになる」と説明した。「農家は休みなく働くのが当たり前だと思われているが、休みや働く目的を明確にすることで、家族と声を掛け合いながら繁忙期なども乗り越えられる」