新型コロナウイルス感染者が急増している状況を踏まえ、公式戦の再開日程を白紙に戻すことを3日に決めたサッカーJリーグ。先行き不透明な状況が続く中、J2栃木SCは4日、チーム活動を少なくとも19日まで休止すると発表した。感染拡大の状況を見て期間はさらに延長する可能性もある。一方、選手らには基本的に自宅待機を要請するなど、1段階上の対応に追われている。
リーグ決定を受け、栃木SCは4日に行う予定だったチーム練習を急きょ中止にした。5月2日に予定されていたJ2再開は、1カ月以上は先送りになる見通し。リーグ中断中、これまでもリフレッシュ期間として一定の休養日を設けてきたが、今回は少なくとも2週間以上はチーム練習を行わないことになる。
リーグ内ではJ1神戸の酒井高徳(さかいごうとく)をはじめ、J1C大阪やJ2群馬の選手らのウイルス感染が相次いで確認された。活動再開日は未定で、栃木SCの山口慶(やまぐちけい)強化部長は「感染のリスクや、目標がない中で練習するリスクなども考えられる。当面の活動は自粛することになる」と説明する。
国内での感染が拡大する中、チーム内の予防策も強化する。選手には毎日の検温や行動歴の報告に加え、新たに活動休止期間中の基本的な自宅待機を求める。山口部長は「サッカー界の今後を考え、節度ある行動を取ってほしい」とし、選手らには不要不急の外出などの自粛を強く促す。
今後はメディアへの対応も慎重に行う。従来は報道陣と選手が対面で行っていたインタビュー取材は、テレビ電話やウェブ上で実施。練習場も選手と報道陣で別の出入り口を設けるなどし、可能な限り外部との接触機会を減らしていく予定だ。
広報担当者は「まずは感染リスクを減らすこと。刻一刻と変わる状況の中、他クラブの動きも参考にしながら対応していく」と話した。