県春季大会の中止を決めた県高野連臨時理事会。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため出席者同士の距離を約1メートルを空けて開かれた=宇都宮市内

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、史上初の中止が決まった春季県高校野球大会。夏に向けた試金石となる大会でもあっただけに、「残念だが仕方ない」「選手のけがが心配だった」。宇都宮工業高で3日開かれた県高野連臨時理事会の出席者や関係者らは、苦しい胸の内を明かした。

 「やりたい思いはやまやまだが、中止せざるをえない状況」。県高野連副理事長で作新学院の岩嶋敬一(いわしまひろかず)部長は決定を冷静に受け止める。同校は昨年、春の県大会で8強止まりに終わった悔しさを糧に夏の県大会で9連覇し、甲子園でも8強進出した。「春は冬季練習の成果を発揮し課題を得る場だった。一部長としては残念だ」と語った。

 大会2連覇を狙った佐野日大の麦倉洋一(むぎくらよういち)監督は「試したいことは多かった」と肩を落とす。チームは1日、電車通学以外の部員に制限して練習を再開したばかり。「これを機に耐え抜くことを覚えてほしい」と前を見据える。

 今春に1年生6人が加わり、部員13人となる予定だった足利南。単独チームで3年ぶりに地区予選出場を目指していただけに、谷昌範(たにまさのり)監督は「さあこれから、というところだった。モチベーションを落とさないようにフォローしていく」と選手を思いやる。

 県内では先月から臨時休校となり、部活動を自粛していた高校も少なくなかった。宇都宮の篠崎淳(しのざきじゅん)監督は「練習もまともにできていない状況で、大会を強行するのは無謀。感覚が鈍っている中でけがの心配もあった」と理解を示した。