「女性記者とは2人で食事に行かないけど、男性記者とは行きます。すみませんけど」

 福田富一(ふくだとみかず)知事は4月の定例記者会見で、元財務省事務次官のセクハラ問題への所感をこう述べた。

 知事の発言で思い出したのは、入社2年目の出来事だ。事件取材で夜、警察署長官舎を一人で訪れた。玄関先の署長は申し訳なさそうに言った。「女性記者は家に上げられない。悪いな。来られるのも困るんだ」

 20年以上の時間の経過はあるものの、知事と署長の言葉に共通するのは、誤解を招く行動は避けるということ。当然のリスク管理と理解できる。一方で、逆差別ではないか、との疑問もわく。

 政府が女性活躍推進を掲げて早5年。県内でも女性の経営者や管理職が増えてきた。だが今回のセクハラ騒動を見ていると、女性が存分に力を発揮できる社会の実現はまだまだ遠いと感じた。

 育児休業の整備など環境改善は進んでも、性差別的な意識が障壁となっている現実。女性が現場の第一線から閉め出されないよう、トップの意識改革も求められている。