湯元温泉街

 日光市全体への誘客や観光客の滞在時間延長につなげようと、環境省が奥日光の湯元温泉街の再整備を検討していることが29日までに分かった。日光国立公園満喫プロジェクトの一環で、民間の日帰り温泉や商業施設の誘致が目玉となる。官民ファンドと連携し、活性化を図る考えだ。

 24軒の旅館・ホテルが並ぶ湯元温泉街は修学旅行生など団体客が多く、同省のビジターセンターや公衆トイレ、園地などがある。一方で全体的に施設の老朽化が進み、廃屋や空き地も散見されている。

 湯元温泉街の大部分は同省の所有地。同省は「日光の奥に位置する湯元への誘客や観光客の滞在時間延長が日光地域全体の活性化につながる」として、面的な再整備を検討してきた。

 整備案では、駐車場や廃屋撤去後の更地などとなっている一帯を「民間誘致エリア」と示した。評価が高い白濁の硫黄泉を生かした日帰り温泉施設、飲食できたり土産物を買えたりできる商業施設の誘致を想定する。廃屋の撤去も進める。

 同省日光国立公園管理事務所によると、マスタープラン(基本計画)作成に向けて地元関係者との意見交換を始めた。再整備に当たっては地域経済活性化支援機構(東京都)などが昨年設立し、足利銀行と栃木銀行も出資した官民ファンド「観光遺産産業化ファンド」と連携して資金や人材面の投資を呼び込む方針。同事務所は「現段階で誘致のスケジュールは明確に決まっていない」としている。

 湯元には日帰り入浴を受け入れる宿もあるが、団体客や清掃時間との兼ね合いもあり、日帰り客が利用できる時間帯は限定的。そのため、日帰り温泉施設を望む声は宿側にもあった。奥日光湯元温泉旅館協同組合理事長で湯元自治会長を兼ねる大類隆男(おおるいたかお)さん(75)は取材に「地元として、再整備方針には賛成でまとまった。具体的な内容については地元でも協議を進めたい」と話した。