東京商工リサーチが8日までに発表した2016年本県新設法人動向調査によると、1年間に県内で新設された法人数は前年比0・9%(12社)増の1280社と過去10年間で最多を更新した。交通インフラの整備や景気回復傾向を追い風に、卸売業、製造業などが増えた一方、人手不足にあえぐ建設業などは前年割れした。全国的に増えている宿泊業が本県は微増にとどまるなど、課題もうかがえる。

 宇都宮支店が県内状況を分析した。

 増加率は前年の15・4%から大きく低迷し、政府の目指す開業率10%台が一転遠のいた。太陽光発電関連の起業ラッシュが一服したためで、全国順位も1位から28位へ後退した。

 新設社数を産業別に見ると、最多はサービス業他で前年比0・5%減の551社。建設業が6・2%減の196社、小売業6・4%減の130社と続くが、いずれも前年を下回った。

 建設業は人手確保が難しく、新設よりも企業の合併・買収が活発化しているという。運輸業も人手不足などから20・0%減の28社。不動産業は16・6%減の65社となった。

 増加率で比べると、最も高かったのは金融・保険業で128・5%増の32社。マイナス金利政策の影響があったが、「景気拡大や株高による資金運用の活発化」(担当者)に伴い、保険代理店などが増えた。

 また卸売業(100社)や製造業(86社)は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)などの整備や景気回復を見据え、それぞれ28・2%、16・2%の伸び。農・林・漁・鉱業も6・3%増え50社あり、1次産業への回帰がうかがえる。