多くの母親らが熱心に耳を傾けた講演会=鹿沼市内

明橋大二さん

多くの母親らが熱心に耳を傾けた講演会=鹿沼市内 明橋大二さん

 自己肯定感の高い子どもに育てたい-。そのような思いを持って子育てを頑張っている人もいるのでは。子育てのバイブルとなっている「子育てハッピーアドバイス」シリーズで知られる精神科医の明橋大二(あけはしだいじ)さんが子どもの自己肯定感の育み方をテーマに講演し、「十分甘えさせ、頑張りを認めて」などとアドバイスした。

 明橋さんは富山県の真生会富山病院に勤める傍ら、スクールカウンセラーや不登校の子らを支援するNPO法人理事長としても活躍している。同シリーズは500万部を超えるベストセラーとなっている。

 自己肯定感を「生きている価値があるか自分で評価すること。心の土台となるもの」と定義。自分を大切に思えない子は、他人を大切にできないだけでなく、しつけや勉強もなかなか身に付かないという。

 自己肯定感が低くなる要因として挙げるのは、虐待や親子関係の希薄さ。子どもは構ってほしくて「いい子」になろうとするが、親は「手がかからない」と一層放っておいてしまう。人一倍敏感なハイセンシティブな子(HSC)も自己肯定感が低くなりやすい。HSCは親の気持ちを察し、親が求めるように動くため、背伸びしたり我慢したりしがちになる。

 明橋さんは「『いい子』は悪い所や駄目な所を親に受け入れてもらえないかもしれないという不安を抱えている。『言いたいことはない?』と声掛けをしてほしい」と訴える。

 子どもの心は、親への依存と自立の繰り返しで成長する。甘えて依存している時は安心を得られるが不自由さも感じる。反抗して自由を得ると、今度は不安を感じ、再び甘えて安心を得ようとする。「小さい時の甘えは成長には大事なことで、小学生までは甘えさせていい。十分受け止めてもらえた子が自立できる」

 「甘えさせる」は、「抱っこ」や「絵本を読んで」といった情緒的な要求に応えることを指す。物質的な要求に言われるがまま応えるのは「甘やかす」で、「甘えさせる」とは異なるので注意が必要だ。

 自己肯定感が育まれる時期は0~3歳。だが3歳を過ぎたら手遅れではなく、「いくつになってもやり直しはできる。大好きだと伝えよう」と明橋さん。

 心掛けたいのは、(1)スキンシップを取って話を聞く、(2)褒める(3)子どもの頑張りを認めてねぎらう(4)最高の褒め言葉である「ありがとう」の言葉を伝える-こと。できないことに目が行きがちだが、できている所を見る。比較するなら他の子ではなく、以前のその子と比べることが大切だ。

 子どもにキレてしまうこともあるかもしれないが、「それだけ子どもに関わっている、頑張っている証拠。肩の力を抜いて、子どもがすでに持っているいい所に注目して」と語った。

 講演は鹿沼市などが主催し、約200人の親たちが熱心に耳を傾けた。