日光市観光協会日光支部の特設コーナーに設置されている五輪パラリンピックの応援ボード=25日午前、日光市

 東京五輪・パラリンピックの延期が決まり25日、県内の観光関係者は「安心安全が第一。仕方がない」と理解を示した。一方で新型コロナウイルスの感染拡大の先行きが見通せない状況に、観光地の日光では「夏よりもこの春の影響が深刻だ」と悲鳴が上がる。

 「五輪延期で十数件の予約がキャンセルとなった」。「日光の社寺」近くの日光市匠町で旅館2軒を経営し、外国人を受け入れている福田金也(ふくだきんや)さん(63)は、こう説明する。それ以上に「これまで4、5月に来ていた外国人などの宿泊客がなくなる方が心配」と吐露する。同市中鉢石(なかはついし)町の飲食業男性(65)は「五輪を期待していたが、春の観光シーズンに客足が止まる方がダメージ」と苦渋の表情を浮かべる。

 同市鬼怒川温泉滝のホテルニューおおるり、石井俊弘(いしいとしひろ)支配人(67)も「五輪延期より、感染拡大による国内の団体客の減少が影響は大きい。10人以上の団体は軒並みキャンセルになっている」と明かす。

 中禅寺湖畔に5月22日開業する高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」の担当者は「五輪延期が開業に影響することはない」とした上で「日本のお客さまもあまり外出されない、海外のお客さまは移動制限で日本にいらっしゃらないとなると困る」と話した。

 県観光物産協会の新井俊一(あらいしゅんいち)会長は「決定は全世界のことなのでしようがない」と受け入れた。ただ「五輪で少しでも回復できると思っていたが、延期はダブルパンチ。観光物産業界は大きな痛手だ」と訴えた。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合の君島則夫(きみじまのりお)理事長は「各国の選手が来てこそ五輪。世界から来た人が日本で感染したら日本の信用にも関わる。延期はしようがない」とし、自分の施設、地域から感染者を出さないことが重要であることを強調した。