「東京五輪ははるか遠くに行ってしまった」などと話すブリッツェンの増田選手=25日午前、宇都宮市内

 「残念だが仕方ない」「仕切り直して頑張る」。東京五輪・パラリンピックの延期決定から一夜明けた25日、夢舞台を目指してきた本県関係アスリートにも動揺が広がった。「気の毒だが前向きに捉えて」。五輪経験者からは現役選手へのエールが寄せられた。

 自転車ロードレース男子五輪代表候補の宇都宮ブリッツェン増田成幸(ますだなりゆき)(36)は25日、普段通りに練習。「残念だが、この状況でやるべきだという気持ちにはなれなかった」と理解を示し、「仕切り直して、1年後の大会に向けて頑張りたい」と前を向いた。

 バスケットボールB1宇都宮ブレックスは男子日本代表のライアン・ロシター(30)や竹内公輔(たけうちこうすけ)(35)、比江島慎(ひえじままこと)(29)がコメントを発表。比江島は「切り替えには難しさもあるが、改めてモチベーションを上げていく」と語った。

 ホッケー男子代表は岐阜県内で合宿中。リーベ栃木の大橋雅貴(おおはしまさき)(26)は「ショックは大きいが、仕方ない決定」と声を絞り出す。周囲からは落胆の声も上がったが、「中止になったわけではない。受け止めて頑張ろう」と呼び掛けた。

 過去のオリンピアンは選手をおもんぱかる。ソウル五輪陸上代表で石橋高の栗原浩司(くりはらこうじ)教諭(55)は「4年かけて準備している選手にとっては本当に気の毒。気持ちを切り替えられるかどうかが大切」。女子ソフトボールのシドニー五輪銀メダリストで栃木市体育協会職員の石川多映子(いしかわたえこ)さん(44)は「(延期で)チャンスが増えたと前向きに捉え、腕を磨いてほしい」とエールを送った。

 基礎疾患を持つ選手の出場も見込まれるパラリンピックは、予定通りの開催を懸念する声もあった。車いすテニス男子で凸版印刷の真田卓(さなだたかし)(34)=那須塩原市出身=は「安全を考えるといい判断。中止ではないので安心した。1年後への調整は楽ではないが、大きな焦りは感じていない」と胸の内を明かした。

 アーチェリーは27日からの代表最終選考会が中止になっていた。日本アムウェイの大塚忠胤(おおつかただつぐ)(52)=足利市=は「4年に1度の代表争いが2回も楽しめる。変わらず練習を続け、代表入りとメダル獲得を目指す。今できることをするしかない」と1年後を見据えた。